米粉餃子とニラ醤油の工場直売所兼駄菓子店の「ニラコストア」。キャラクターのニラコが目印
【大分】特産のニラをおいしく味わってもらおうとギョーザ直販店を開いたものの「子どもたちにも喜んでもらいたい」と約100種類の駄菓子を置き、まるで駄菓子店のように小学生らを楽しませている店が大分市にある。下郡北の「ニラコストア」。昭和レトロな雰囲気にあふれ、連日、家族連れなどでにぎわっている。
運営するのは同市の「ログスタイル」(時松秀豊史(ひでふみ)社長)。県内で「元祖辛麺屋桝元」をフランチャイズ展開し、廃棄していたニラの茎を有効活用した商品「必然のニラ醤油」などを販売する。
事の始まりは、時松社長(55)が市内の駄菓子問屋を訪れたこと。懐かしさのあまり夢中になり、つい大量に仕入れてしまったという。
店の近くには小学校や小児科医院があり、「店の一角に駄菓子を置いてみよう」と始めたが「すっかり童心に返り、気が付けばギョーザより駄菓子がメインに…」と照れ笑い。
どことなく懐かしい雰囲気に引かれ、放課後は小学生、週末は家族連れが集まってくる。金池小6年の吉永凜さん(12)は「自分で計算しながら買うのが楽しい」。下郡小2年の牧野知大さん(7)の母梨香さん(48)は「自分が小学生の頃、遠足のおやつを決められた金額内で工夫して選んだのを思い出す。息子にもそんな体験をしてほしい」と目を細めた。
看板商品の「米粉餃子(ギョーザ)」は冷凍販売で市産ニラや県産豚、米粉の皮を使い、カリッ、モチっとした食感とジューシーな味わいが幅広い世代に人気。市産オオバを使った新作やニラ塩ポテトチップスも開発した。
“ニラコのおじちゃん”と呼ばれる時松社長は「子どもたちを喜ばせるつもりがパワーをもらっている。駄菓子とギョーザ、異色の組み合わせを県内外に広げていきたい」と今後の事業展開に夢を膨らませている。