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202049日()

大分県の新行革素案 先端技術を生かせ

 新年度から2024年度までの5年間を計画期間とする大分県の新しい行財政改革推進計画の素案がまとまった。県民の意見を募っている。県行革推進委員会、県議会の審議を経て実施に移す。
 最大課題は少子高齢化だ。40年ごろには団塊ジュニア世代が65歳以上になり、高齢者人口がピークに達する。一方で出生数減に伴って生産年齢人口は減る。医療・介護需要増による社会保障関係費の増加や、官民双方の担い手不足が予想される。加えて、高度経済成長期に建設した県有施設や県管理の橋、トンネルなどが老朽化し、更新費用がかさむ。
 こうした事態に対応するため、県は情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)を利用する行革を打ち出した。新計画の副題は「次世代型『スマート県庁』を目指して」。社会のあらゆる場面でデジタル革命(第4次産業革命)が進んでおり、先端技術の活用は当然だろう。
 具体的には、補助金申請といった行政手続きをオンライン化して100%電子化を目指す。社会保障分野では医療や介護などのデータを連結して分析する「データヘルス」の推進を挙げている。県有施設・インフラの維持管理や工事にドローンなどICTを使う。
 いずれも業務の効率化や効果的な事業展開につなげるのが目的であり、行革の趣旨にかなう。ただ、高度情報化社会は個人情報の流出という危険性も背中合わせだ。電子化や情報利用に当たっては格段の注意を払ってほしい。
 地方自治体の行革は、01年に発足した小泉純一郎政権の三位一体改革がきっかけとなった。自治体にとって重要な財源である地方交付税や臨時財政対策債の削減が財政を直撃し、行政全般にわたる抜本的な見直しを迫られたのである。
 県は04年度以降、それぞれ3~5年の期間を定めた四つの行革プランを順次実施。職員定数の削減や人件費の抑制、大規模施設の見直しや外郭団体の整理・統合を続けてきた。
 職員定数(知事部局)は19年度3804人。03年度に比べて841人、18・1%の減となっている。人件費は18年度までに304億円削った。大規模施設は大分香りの森博物館や県立三重病院といった13施設を廃止。21の外郭団体を解散した。
 その結果、貯金に当たる財政調整用基金残高は18年度末で361億円。基金残高は標準財政規模の10%以上とされており、大分県の場合、約320億円。この数字を上回っている。一方、借金に相当する県債残高は18年度末で6319億円(臨時財政対策債を除く)。03年度末から2965億円圧縮した。
 数字を見る限り、成果を上げていると言えようが、行革に終わりはない。絶えず見直しを続け、効率的な行政運営と、県民サービスの質的向上を同時に実現する方策を求めたい。

<メモ>
 県民意見の募集(パブリックコメント)の締め切りは31日。素案は県のホームページで公開しており、県庁本館や出先の振興局などでも閲覧できる。住所、氏名、電話番号を明記して郵送かファクス、電子メールで県総務部行政企画課行政企画班(TEL097・506・2238、ファクス097・506・1712、メールa11100@pref.oita.lg.jp)へ。
2020年1月19日

論説

 

 新聞ジャーナリズムの真骨頂が「論説」です。朝刊2面に掲載。現代社会が抱える広範囲な問題を真正面から捉え、公正な目で、批判すべきは批判して警鐘を鳴らします。少々硬く長い文章ですが、じっくりと読み込むことで物事の本質をしっかり見極めることができます。明日を考える指針の一つにしてください。

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