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アイドルアニメに革命 「ゾンビランドサガ」 続編決定で人気に弾み

 2019年の流行語大賞がラグビー・ワールドカップ(W杯)日本代表のスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」に決まった。しかし昨年既に、この尊いスピリットを先取りしていたアニメがある。昨年10~12月、BS11やAbemaTVなどで放映され注目を浴びた新感覚ゾンビ系アニメ「ゾンビランドサガ」である。

 今年に入っても人気は衰えを知らず、関連イベントの開催、グッズ販売がめじろ押しで、7月に佐賀県で開かれたライブイベントでは続編として「ゾンビランドサガ リベンジ」の制作決定が電撃発表された。ネットやSNSでは歓喜の声が沸き起こり、作品は今も燦然と輝き続けている。

 タイトル「ゾンビランドサガ」の「サガ」は「SAGA(物語)」と佐賀県の「佐賀」をかけたもの。

 クセの強い謎のアイドルプロデューサー巽幸太郎(声・宮野真守)が、亡くなった時代がそれぞれ異なる源さくら(声・本渡楓)ら少女7人をゾンビ(作中では「ゾンビィ」と呼ぶ)として復活させ、マイナーなイメージを持たれがちな佐賀県をもり立て、救済するご当地アイドル「フランシュシュ」を結成。「ゾンビランドサガ・プロジェクト」を始動する。

 巽の信念は「ワンフォーゾンビィ! オールフォーゾンビィ!」。まさに「ONE TEAM」精神そのものである。

 作品は、近年のアニメにありがちな“萌え偏重”“青春群像劇”的な予定調和を痛快なまでに粉砕。巽のパワハラまがいの言動に振り回されながらも、フランシュシュメンバーは“アイドルとして生きる”しか道はないと自覚する。

 脚本は笑いあり涙あり、ボケありツッコミありの緻密な構成。毎回、視聴者の斜め上を行くストーリーが繰り広げられ、メンバーのアイドルとしての成長と、グループ崩壊のピンチをチャンスにすら変えてしまう卓越したパフォーマンスを軸に、フランシュシュは徐々に結束力を高めていく。(筆者の感情は揺さぶられっぱなしで、爆笑からの涙腺崩壊―のサイクルを少なくとも3回は繰り返した。)

 もちろん作品の舞台は、佐賀県に徹底的にこだわっている。佐賀城、嬉野温泉、実在する伊万里市の鳥料理店「ドライブイン鳥」、「唐津市ふるさと会館アルピノ」など、ご当地スポットが続々と登場する。

 魅力はご当地ネタだけにとどまらない。ゾンビは当然として、王道のアイドルソングからデスメタル、ラップ、ヒップホップ、エレクトロニカ、ヤンキーカルチャー(!?)等々、サブカル好きには垂涎のエッセンスが随所にちりばめられ、日ごろアニメを見ない老若男女のハートまでわしづかみにした(はず)。

 古くは幕末から昭和、平成を経て現代に至るサブカルの面白さを一作品に結実させるウルトラC級の力業により、作品世界に視聴者を引き込むパワーとオリジナリティーの高さは唯一無二。ゾンビランドサガはアイドルアニメに革命を起こしたと言っても過言ではない。

 来年3月に作品は「ゾンビランドサガ Stage de ドーン!」として舞台化されるほか、同月、幕張イベントホールでフランシュシュ声優陣が出演するライブのチケット争奪戦も早くも始まっている。

 フランシュシュは今もアイドルとして発展途上にある。果たして「ゾンビランドサガ リベンジ」ではどのような血湧き肉躍るストーリーが展開されるのか―。佐賀県からさらなる高みを目指すに違いないメンバーたちの活躍が、今から楽しみでならないのである。

 蛇足ながら、筆者の推しはフランシュシュリーダーで、1990年代、九州制覇を成し遂げた伝説の暴走族チーム“怒羅美(どらみ)”特攻隊長二階堂サキ(声・田野アサミ)。自他ともに認めるヤンキーで口癖は「ぶっ殺すぞ」だが、生前は「たまごっち」を愛用。仲間思いで情に厚いギャップ萌え度マックスのお茶目キャラである。(共同通信記者 鈴木賢)

2019年12月26日

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