募集を前に、さんご賞の取り組みの意義や特徴、魅力について、関係者に話を聞いた。 自然に触れたときにひらめいたあなたの思いは、ダイヤモンドの原石のよう。飾らなくていいから、その気持ちを作文にぶつけてください―。小中学校の理科教育を中心に研究を続けている大分大名誉教授の牧野治敏さん(67)=大分市=は、子どもたちにこう呼びかける。 理科教諭の育成に自然体験を取り入れてきた牧野さん。自然体験を通じて青少年の健全育成に取り組む「県シェアリングネイチャー協会」の活動にも熱心に取り組んでいる。 「自然の特徴は、分からないことが多いこと。そこが面白いと思い、私は研究者の道を選んだ。多くの大人たちは、分からないことを面白いと思えない。しかし子どもたちは、面白さに気づいている。昔は子どもだった大人も、そうだったはず」と問いかける。 地球さんご賞の理念を知り、過去の受賞作品を読んだ。子どもの目の前の風景が見えてくるように感じた。自然の中で「わーっ」とときめき心を動かされたことを誰かと分かち合いたい―。そんな思いも伝わってきたという。 「素朴な気持ちこそ、文章にしてほしい。うまさよりも、その思いを伝えて」と求める。感じたことを作文にする際は(1)もう一度、振り返る(2)似た体験と比べる(3)言葉を探していく―といった経過をたどる。じっくりと考えることで子どもたちにそれぞれ備わる無限の能力を開花させ、自然を大切にする思いが将来にわたって生まれるきっかけになるという。「自然へのさまざまな思いが日頃のごみ拾いにつながったり、自然環境を守る人を将来応援することになったりするだろう」 周囲の大人には「子どもの素直な発想をまずは受け止めて。そして子どもと一緒に考えてあげてほしい」と勧める。「世の中には、いまだ解決できない環境問題がある。現在の大人が思いつかない解決方法を、子どもたちが考え出す未来を信じて応援しよう」。作文に取り組むことで新たな未来が生まれることに期待を寄せている。
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