28日に閉店する大分市府内町の「クロワッサンの店」大分店。毎日の家事を楽しくするアイテムをそろえた店主の二階堂恵子さん
【大分】生活雑貨を扱う大分市府内町の「クロワッサンの店」大分店が、28日に閉店する。店主の二階堂恵子さん(71)は、35年にわたり心地よく暮らすためのヒントを発信。生活に寄り添い、主婦ら多くの客に親しまれた。
マガジンハウスが出版する生活文化雑誌「クロワッサン」で紹介された日用品や服飾雑貨などを取り扱う全国チェーン。大分店は日出町で書店を営む夫の進さん(77)とマガジンハウスの縁で1991年にオープンし、九州で唯一の店舗だった。
遊歩公園沿いのビルの2階。階段を上がると大きな出窓のある温かみある空間に、おしゃれで長く愛用できるキッチン用品や洋服、食品、掃除用具などが並ぶ。
当初は「人口の少ない大分では難しい」との声もあったが、自身の日常生活や仕事帰りの女性客らとの会話からニーズを探り、こだわりの品ぞろえで人気を集めた。30~60代の女性を中心に、3世代で訪れる人や遠く市外から通う常連客もいた。
恵子さんは育児や家事と両立しながら日出町の自宅から電車で通い続けていたが、酷暑などがこたえるようになり「きちんと感謝を伝えられるうちに」と一区切りを付けることにした。市内の主婦(63)は「季節ごとに商品の使い勝手の良さなどを提案してもらえる。居心地よく生活の一部だった」と惜しんだ。
店は今後、日出町の本と生活雑貨の店「文彰堂・木里夢」に引き継ぐ。再スタートは8月頃の予定。恵子さんは「地味な家庭での仕事も道具一つで気分が上がる。いいお客さんやスタッフに恵まれ人生の半分の時間を楽しく続けられた。これからもお客さんの毎日を少し彩ることができたら」と感謝した。