大雨で氾濫した山国川=2023年7月、中津市本耶馬渓町
中津市の山国川(1級河川)が3月に、流域の浸水対策を推進する国の「特定都市河川」に県内で初めて指定される見通しになった。県への取材で分かった。近年、度重なる豪雨に見舞われ、そのたびに甚大な被害が出ている。指定により一定規模の開発に対策工事が義務付けられ、国から重点的に予算措置を受ける対象にもなる。改修の推進が見込まれる。16日、九州地方整備局が指定に向けた手続きに着手したと発表した。
山国川は2012年7月の大分県豪雨で2度にわたって氾濫し、1人が命を落とした。流域で護岸の崩壊が相次いだほか、同市内の耶馬渓町と山国町などで建物計429棟が浸水した。
17年の福岡・大分豪雨、23年の県西部や北部を襲った大雨でも土砂災害、浸水被害が発生した。
特定都市河川に指定されれば、県は浸水被害の防止や軽減を図るための目標値などを設定する「流域水害対策計画」の策定を進める。県による堤防の整備、雨水を安全に流すための河道掘削などが加速されるほか、水をためる施設の設置などを進められる。
資材置き場の設置や道路整備など一定規模(千平方メートル)以上の新規開発に浸水対策の工事を義務付け、洪水や雨水を一時的に貯留する区域の指定・保全もできる。
指定の範囲は中津市の耶馬渓橋上流域で、一部が日田、宇佐両市、玖珠町にかかる約437平方キロが見込まれている。県は2月下旬に開会予定の第1回定例県議会で、必要な条例案を提出する予定。
県河川課は「水害に強いまちづくりが推進される。引き続き、山国川流域の治水安全度向上に向けて取り組んでいく」と話した。