各蔵の仕込み水を手に共同醸造酒造りへ意気込むJYOKKAS∞のメンバー=宇佐市の宇佐神宮
【宇佐】宇佐市内にある七つの酒蔵でつくる「JYOKKAS∞(ジョッカス)」は、各蔵で使用する仕込み水を持ち寄った日本酒「共同醸造酒」造りに挑戦している。各蔵は市内に点在。仕込み水はミネラル含有量や硬度などが異なることから、個性豊かな水を混ぜ合わせてユニークな酒を生み出そうと発案した。このような酒造りは全国でも珍しいという。
宇佐市は穀倉地帯が広がり原料に恵まれているため、酒蔵の数が県内で最も多い。県内一の酒どころであることをアピールしようと、2017年にジョッカスが発足。毎年春の「酒蔵まつり」など地酒のPRを中心に活動を展開し、「酒都・宇佐」のブランド確立を目指している。
共同醸造酒造りは、宇佐神宮御鎮座1300年を契機に打ち出した取り組み。宇佐産のヒノヒカリ300キロと各蔵の仕込み水計390リットルを使い、3段仕込みで製造する。
11月中旬に各蔵の代表者が仕込み水を同神宮に持ち込み、成功祈願のおはらいを受けた後、メンバーの三和酒類(山本)の酒蔵で作業をスタート。蒸した米をすのこに広げて冷まし、仕込んでいたもろみと交ぜて水を加える「初添え」の工程を協力して行った。
瓶詰め後に熟成させ、来年1月下旬に600本(720ミリリットル瓶)が完成の予定。同神宮への奉納後、2月に市内で記念イベントを開き販売を開始するという。
ジョッカスの四ツ谷岳昭会長(56)=四ツ谷酒造代表=は「初めての取り組みでわくわくしている。メンバーの力を結集し、フルーティーで喉越しが良く、香り高い酒にしたい」と話している。