追悼の言葉を述べる遺族代表の首藤美枝子さん=31日、別府市
県戦没者追悼式が31日、別府市のビーコンプラザであった。戦後80年の今年は遺族ら約800人が参列。県出身の軍人・軍属ら戦没者4万4458人を慰霊した。
佐藤樹一郎知事が「終戦から80年。ご遺族は深い悲しみと長い苦難の日々に耐え、残された家族を守ってきた。敬意と感謝を申し上げる」と式辞。
遺族代表で追悼の言葉を述べたのは豊後大野市三重町秋葉の首藤美枝子さん(81)。陸軍の兵士だった父・英男さんは終戦間際にミャンマーで戦死した。31歳だった。
首藤さんは2度ほど現地を訪れて参拝した経験を振り返り、「世界ではいまだに戦争、紛争が絶えない。私たちのような遺族を出してはならないと胸に刻み、戦争の悲惨さや平和の尊さを語り継いでいく」と誓った。
参列者が献花。明豊高(別府市)3年の藤近真碧(まお)さん(17)が「私たちは、戦争を実際に経験した人の話を直接聞ける最後の世代かもしれない。記憶や教訓を受け継ぐ責任がある」と平和への思いを述べた。