住民向け機関紙「万年青」が600号を達成した田島1丁目の横田吉彦自治会長=日田市田島
【日田】日田市田島1丁目の住民向け機関紙「万年青(おもと)」が600号を達成した。1975年から50年間にわたり毎月、地域の身近な情報を配信。新興住宅地として開発された町が歩んだ半世紀の歴史を、つぶさに記録してきた。
JR日田駅北側の市中心部に広がる田島地区は、1972年の区画整備により4町に分町。田島1丁目が誕生した当時の住民数は590人で、30代以下が6割以上を占める子育て世代の町だった。現在は1046人(6月末)に増加し、高齢化が進んでいる。
壮年団(佐藤正明団長)が発行する万年青(B4判)のキャッチフレーズは「住みよい町、住みたくなる町」。町内対抗ソフトボール大会の熱戦や地区大運動会、清掃活動のほか、わが家の一品料理レシピなどを掲載。住民同士が触れ合い、にぎわう様子がうかがえる。
大原八幡宮仲秋祭「放生会(ほうじょうえ)」での子どもみこし巡行や、日田川開き観光祭に町内芸能隊として初出場した話題も伝えた。若八幡子ども相撲など今では少子高齢化で途絶えた行事も「町の歴史」として記録に残している。
節目の600号記念号(5月末発行)では特集記事を組み、「今後も続けていただくことを願う」(初代編集長の津江治士(はるお)さん(92))といった歴代団長からのメッセージで飾った。
過去の記念号編集にも関わった横田吉彦自治会長(68)は「機関紙は住民一人一人の歴史の積み重ね。今後も時代の変化に対応しながら紙面を充実させていきたい」と話した。