【バレーボール女子決勝・東九州龍谷―大分商】相手ブロックをものともせずにスパイクを放つ東九州龍谷の忠願寺(右)=サイクルショップコダマ大洲アリーナ
ひと皮むけたエースが節目の優勝を引き寄せた。バレーボール女子は東九州龍谷が25大会連続40回目の優勝。決勝も攻守に躍動した忠願寺莉桜(2年)は「初めて自分が引っ張っていくという自覚を持って臨めた」と確かな手応えを口にした。
決勝は忠願寺と同世代の有力選手がそろう大分商が相手だった。「マークされる中でどう生かすかがテーマだった」と竹内誠二監督。言葉通り、エースを「おとり」に使い、藤崎愛梨主将(3年)らが相手の隙を突く戦法を徹底。じわじわと点差を広げ、ストレート勝ちにつなげた。
自由に動けなくとも存在感を放った忠願寺は「周りが見えていなかった1年前に比べ、確かな成長を示せた。新生東龍の力を全国でも示す」と頼もしい。大会直前に退任した相原昇前監督から引き継いだ指揮官は、「監督が替わろうと各自が自立しないと強くなれない。その中でよくやった」と合格点を与えた。
男子は大分南が2年ぶりに覇権を奪取。1年時はリベロだった井手平夏和主将(3年)がエースアタッカーに成長し、チームをけん引した。
入学時から身長は約20センチ伸び、現在188センチ。高校選抜に名を連ねるまでになり、「優勝を逃した先輩の思いも胸に、気持ちで優勝できた」。柿原茂徳監督は「ここからさらに段階を踏んでいきたい」と先を見据えた。
【ミニインタビュー】
今大会で引退し、消防士になる夢を追うバレーボール男子大分南の久下慶也(3年) ここまでつらかったけれど、最高の仲間のおかげで最高の日を迎えられた。チームからは離れるが、全国での活躍を心から応援したい。
連覇を逃したバレーボール男子大分工の山口蓮太主将(3年) 1セット目のミスが響いた。修正して臨んだ2セット目は取れたが、最後も気の緩みがあった。自分たちは守りに絶対の自信がある。次の「春高」は必ずリベンジしたい。
〈バレーボール〉
(サイクルショップコダマ大洲アリーナ)
【男子】▽シード順位決定戦 鶴見丘2―1鶴崎工
▽決勝
大分南2―1大分工
25―20
20―25
25―15
【女子】▽シード順位決定戦 臼杵2―1国東
▽決勝
東九州龍谷2―0大分商
25―17
25―15
(男子の大分南は2年ぶり4回目、女子の東九州龍谷は25大会連続40回目の優勝。男女とも1位が全国、2位までが九州大会へ)