【ハンドボール男子リーグ・大分―雄城台】優勝して喜ぶ大分の選手たち=舞鶴高
28―28で迎えた後半残り25秒。大分が7メートルスローを獲得し、松野雷矢主将(3年)がラインに立った。「思い切って決めるだけ。チームを勝たせたい」。ゴール左上に冷静に突き刺し、勝ち越しに成功した。3年ぶりの優勝が決まると、歓喜の輪が広がった。
ハンドボール男子リーグ最終戦は、2勝同士の雄城台と対戦。一進一退の攻防が続き、15―15で折り返した。
後半も互いに譲らず、差が広がらないまま終盤へ。一時退場の時間帯も我慢強く守り、試合を通して2点以上のリードを許さなかった。再三の好セーブでチームを救ったGK高山裕飛(2年)は「相手の動きをよく見て、落ち着いてシュートを止められた」と胸を張った。
昨秋の新チーム発足以降、雄城台とは1勝1敗。互いに高め合うライバルに競り勝ち、田中宗治監督は「気持ちを切らさず、粘り強く走り続けた」とたたえた。
3月に地元で開催された全国選抜大会は2回戦で敗退。「全国レベル」を肌で感じ、意識改革が進んだ。コミュニケーションが増えるにつれてミスは減少。成長のきっかけをつかんだ。
得点力の向上を目指し、「全国の強豪相手に30点以上」を合言葉にしてきた。「今回は29点。まだまだです」と田中監督。松野主将は「全員で声を出し合って勝てた。課題も出たので、克服したい」と話した。
【ミニインタビュー】
ハンドボール女子で11連覇を果たした大分の野村穂主将(3年) 最初はなかなか点が取れなかった。守備で踏ん張れたから自分たちの流れをつくれた。たくさんの人に支えてもらい、優勝という結果で恩返しができてうれしい。
〈ハンドボール〉
(舞鶴高)
【男子】▽リーグ 舞鶴28―22鶴崎工、大分29―28雄城台
(1)大分3勝(2)雄城台2勝1敗(3)舞鶴1勝2敗(4)鶴崎工3敗
【女子】▽リーグ 雄城台16―9舞鶴、大分20―9鶴崎
(1)大分3勝(2)鶴崎2勝1敗(3)雄城台1勝2敗(4)舞鶴3敗
(大分は男子が3年ぶり4回目、女子は11年連続13回目の優勝。男女とも1位が全国、2位までが九州大会へ)