【柔道男子団体決勝・東九州龍谷―国東】払い巻き込みで優勝を決めた東九州龍谷の大将・末松(上)=クラサス武道スポーツセンター
存続危機のチームが悲願をかなえた。柔道男子団体は東九州龍谷が初優勝。下級生がいない中、絆で結ばれた3年生6人が総力を結集した。苦節25年で県の頂点にたどり着いた大村祐也監督は「力はあると思っていた。選手たちを信じていた」と感慨に浸った。
準決勝で強豪の柳ケ浦を破り、迎えた前年覇者・国東との決勝。先鋒(せんぽう)の末野颯真が幸先よく一本勝ちで先制するも、次鋒(じほう)、中堅は続けて敗れた。後のない副将戦は、宮名利凱弥が「やってきたことを出し切り、後悔しないように」との言葉通りに前に出続け、体重で約20キロ上回る相手に僅差で勝利。優勝の行方は大将戦にもつれ込んだ。
思いを背負った末松礼は、終盤までに2回の指導を受ける苦しい状況に。それでも「投げないと負け。がむしゃらだった」と立て続けに得意の払い巻き込みを仕掛け、残り20秒を切ってから豪快に仕留めた。
男子部は共学となった1997年の創部。中津市近郊の中学から集まり、先輩からの思いを引き継いで「歴史を変えよう」と高め合ってきた6人が、見事に目標を達成した。
後輩は2年の女子1人だけ。先行きが見通せない中でうれしい全国切符をつかんだ。浜野太陽主将は「自分たちは挑戦者。恐れることなく全国でも力を出し切りたい」と話した。
【ミニインタビュー】
けがを押して柔道男子団体で意地を見せた国東の山田奏太主将(3年) 膝を故障していたが気持ちでカバーし、体格差のある相手に僅差で勝つことができた。ただ連覇を逃し、悔しさしかない。個人戦に気持ちを切り替えたい。
柔道女子団体決勝で気を吐いた大分西の手島みづき主将(3年) 先鋒(せんぽう)として先にポイントを取ろうと仕掛け続けたが、引き分けとなって悔しい。ただ「攻め勝つ」をモットーにやってきた柔道は貫けた。個人戦で挽回したい。
<柔道>
(クラサス武道スポーツセンター)
=男子=
【団体】▽1回戦 鶴崎工5―0高田、三重総合4―1日田林工、豊府4―1東明
▽準々決勝 国東4―0大分工、杵築5―0鶴崎工、東九州龍谷5―0三重総合、柳ケ浦1―0豊府
▽準決勝 国東4―0杵築、東九州龍谷(内容勝ち)2―2柳ケ浦
▽決勝
東九州龍谷3―2国東
○末野 小内巻き込み 河野
西谷 払い腰 大戸○
高倉 優勢 山田○
○宮名利 僅差 河津
○末松 合わせ技 吉開
▽全九州大会代表決定トーナメント1回戦 柳ケ浦(棄権勝ち)―三重総合
▽同決定戦 柳ケ浦3―1国東
=女子=
【団体】▽1回戦 杵築2―1国東
▽準決勝 大分西2―0杵築、柳ケ浦2―0中津北
▽決勝
柳ケ浦2―0大分西
坂山 引き分け 手島
○住本 優勢 野崎
○ジャランタ 小外刈り 長谷川
▽全九州大会代表決定戦 大分西3―0中津北
(男子の東九州龍谷は初優勝、女子の柳ケ浦は2年ぶり4回目の優勝。男女とも1位が全国、1位と全九州大会代表決定戦勝者が九州大会へ)