【大分―鳥栖】前半13分、ゴールを決めて喜ぶ大分のMF野村(左端)ら。1点を守り抜き、ホームで今季初の連勝を飾った=大分市のクラサスドーム大分
明治安田J2第12節(29日・えがお健康スタジアムほか=10試合)大分は大分市のクラサスドーム大分で鳥栖と対戦し、1―0で競り勝った。通算4勝6分け2敗(勝ち点18)で6位に浮上した。
大分はリーグ第13節の5月3日午後2時から、同会場で熊本と戦う。
【大分1―0鳥栖評】大分は相手に得点を許さず、今季初の連勝を飾った。
大分は前半13分、敵陣で奪った球を受けたMF野村が右足でゴールネットを揺らして先制。その後も優位に進め、1―0で折り返した。
後半は守備に回る時間が増えたものの、DFラインが最後まで集中力を切らさず、相手に決定機をつくらせなかった。
■前線からのプレスで対抗
大分は九州ダービーを制し、今季初の連勝でホーム2勝目を挙げた。序盤の1点を守り抜き、J1から降格した鳥栖に勝利。片野坂知宏監督は「早い時間帯に先制できたのが大きい。負けられない一戦で、集中力を切らさなかった」と頬を緩めた。
自陣からパスをつないで攻撃を組み立てる鳥栖に対し、前線からのプレスで対抗した。
前半13分、FW伊佐耕平が相手DFのトラップミスを見逃さず、激しく圧力をかけて球を奪取。拾ったFW有馬幸太郎がMF野村直輝につなぐと、野村がGKの足下を狙って右足を振り抜き、2試合連続のゴールを挙げた。
「隙は常に狙っている。自分の良さを出せた」と伊佐。野村は「マイボールにしてくれた2人のおかげ。練習の中で自分の状態も上がっており、しっかり決められて良かった」とうなずいた。
後半開始から選手を入れ替え、猛攻を仕掛ける鳥栖に対し、粘り強い守備は最後まで機能。2戦連続の無失点で終えた。
苦戦が予想されたタイプの異なる「降格組」との連戦で2連勝。野村は「細かいフォーメーションの変更もうまくいき、新たな戦い方が見えた。今後につながる」と手応えを口にした。
勢いを保ち、大型連休の連戦で上位争いに加われるか。ホームで迎え撃つ熊本戦に向け、伊佐は「まだまだ危ない場面もある。全員が集中して戦い、次も圧倒したい」と力を込めた。
■堅守に手応え2戦連続無失点
最後まで集中力を切らさず守り抜き、前節に続いて相手に得点を許さない「クリーンシート」を達成。片野坂知宏監督は「守備の安定が勝利につながった」と自慢の堅守に手応えをにじませた。
今季は12試合を終え、リーグ2番目に少ない8失点。球を保持されても、ゴール前では体を張って粘り強く守る。GK浜田太郎は「開幕当初と比べると、決定的なシュートが飛んで来なくなってきた。守備への意識の高まりを感じる」と変化を口にする。
DFラインの柱だった藤原優大が戦列を離れた第9節・徳島戦以降も4試合で2失点と、崩れる気配はない。全試合フル出場を続けるDFデルランは「これで満足したら先はない。チームのためにもっと頑張りたい」と頼もしい。
大分トリニータ・片野坂知宏監督の話 久しぶりにホームで勝てたのが何よりうれしい。それぞれの役割を果たしてくれた選手のおかげ。この戦い方を継続するとともに、追加点を奪える準備をして、次もサポーターと喜びを分かち合いたい。
①クラド
大分1―0鳥栖
1―0
0―0
▽得点者【分】野村(前13分)