複数のアーティストの共同制作、発表が可能な「ベップ・スタジオ02」=別府市秋葉町
【別府】別府市のNPO法人ベップ・プロジェクトはアーティストやクリエーターの支援と移住促進を目的に、新たに三つのレンタルスタジオを市内南部エリアに整備した。制作や表現活動の場として活用してもらう。
市は2022年、「文化観光の推進とアーティスト・クリエイター移住・定住計画」を策定。同法人は市の委託を受け、移住支援や活動紹介などさまざま事業に取り組んでいる。その一環として、昨年3月に「ベップ・スタジオ01」(楠町)を開設した。
さらに多様な制作拠点づくりを目指し、新たに三つの空き物件を改修。今年3月にベップ・スタジオ02、03、04を整備した。市の補助金約1700万円を活用している。
「02」(秋葉町)は戦前から残る元酒屋倉庫(約90平方メートル)を複数のアーティストが使用できる共同アトリエ兼ギャラリーとして再生。地域に開かれたイベントの場としても活用できるようにした。
「03」(松原町)はマンションの管理人室として使われていた1階部分(約20平方メートル)で、小規模な展示に適している。「04」(浜脇)は、JR東別府駅敷地内にある詰所の2階部分(約40平方メートル)をキッチン・スタジオに改修。地域のにぎわいづくりを進めているJR九州との協働事業として整備した。
同法人によるとアーティスト、クリエーターの移住は近年増加傾向にあり、2023年度は30人が移住した。中村恭子代表理事は「かつてものづくりの中心だった南部エリアに、新しい人との出会いによって新たな価値が生まれることを期待したい」と話している。
<メモ>
「02」は最短1カ月間から使用可能で、1カ月2万3千円。「03」は短期(1~6日)は1日3500円など期間によって異なる。「04」は26年度末まで予約が埋まっている。問い合わせは別府市創造交流発信拠点「トランジット」(070-4208-9361)。