大地震に襲われた母国のため、寄付を呼びかけるミャンマーからの留学生ら=1日、別府市役所
2千人以上が犠牲になったミャンマー中部の大地震を受け、別府市内のミャンマー人留学生たちは1日、街頭募金を始めた。「助けてください」。悲壮な表情で呼びかけると、多くの通行人が善意を寄せた。
「ご協力よろしくお願いします」。市役所では別府溝部学園短期大と立命館アジア太平洋大(APU)の学生が多数集まり、黄、緑、赤の3色の横じまに白い星が浮かぶ国旗を手に頭を下げた。
震源に近い第2の都市マンダレーで母や弟が被災したAPUの学生=同市内竈=は「私たちは日本にいて直接、手助けができない。それが申し訳ない」。ニュースが気になって眠れず、食欲もない。そんな時間を経て募金活動に加わった。
別の学生は、3月26日に来日したばかり。同短期大の入学式を翌日に控え駆け付けた。両親ときょうだいが住む家は壊れ、屋外避難が続くという。
「去年の洪水でも浸水被害に遭った。内戦も物価高も…。ミャンマーの人々は今、とても苦しい状況に生きているんです」
同市東荘園の自営業今橋周作さん(49)は「日本の被災時は海外から支援があった。少しでも力になれば」と浄財を投じた。
APUでは入学式があったキャンパスで、ミャンマー学生協会の留学生10人ほどが募金活動に臨んだ。
最大の都市ヤンゴン出身の学生は、震災を4年前の軍事クーデターに続く苦難だとする。「ニュースを見ると涙が出そうになる。今私たちにできることをしたい」と話した。
APUによると、学内では474人のミャンマー人が学び、国籍・地域別の留学生で一番多い。相談窓口を開設し、在学生、卒業生、入学志願者の状況調査や支援を進めている。