患者のトリアージや移送に取り組む訓練参加者=22日、大分市の帆秋病院
県精神科病院協会(渕野勝弘会長)は22日、大分市大分の帆秋病院(帆秋伸彦院長)で、南海トラフ巨大地震を想定したトリアージや患者搬送などの災害訓練を実施した。
県内で2カ所指定されている災害拠点精神科病院の同病院と渕野病院(大分市坂ノ市中央)に加え、県内の医療機関や自治体、看護専門学校から医師、看護師、職員など約50人が参加した。
県南沿岸を中心に震度6強程度の大規模地震が発生した―と想定。病院内に災害派遣精神医療チーム(DPAT)の活動拠点本部を立ち上げ、実際には県庁内に設けられる調整本部と情報を共有した。被災した医療機関に見立てたフロアにDPAT先遣隊を送り、治療の優先順位を決める「トリアージ」を進めた。
被災した施設が危険なことから、患者を災害拠点精神科病院へ搬送し、入院受け入れや後方搬送を想定した訓練もした。各地の病院から訪れた約30人の見学者も熱心にメモを取っていた。渕野会長、帆秋院長は「訓練を通じて課題を学び、いざというときに備えよう」と呼びかけていた。