おおいた温泉道 池田勝立さん 京町温泉
大通りから1本入った静かな住宅街の中にある京町温泉。自治会が運営する典型的な別府の共同浴場だ。地元の人が毎日200人ほどやってきては、日々の疲れを癒している。
国道から1本入った静かな住宅街にある京町温泉。自治会が運営する典型的な別府市の共同浴場で、1日約200人という利用者のほとんどが地元の人だ。
「会社が終わってから、ほとんど毎日来ますね。お湯に漬かれば頭の中が無になってリラックスできる」。こう話すのは昨年1月、すぐ近くに引っ越してきた池田勝立さん(36)。午後6時すぎ、洗面器とシャンプー、タオルの3点セットを携えて現れる。
泉質は炭酸水素塩泉。敷地内にある源泉からくみ上げる湯は透明でさらっとした感触だ。池田さんは早風呂派。まず頭や体を洗い、痛いくらいの熱めのお湯に2、3分入ってすっきり。計5分程度で上がる。「管理人さんの手入れがよく、湯船も洗い場もいつもピカピカに磨かれているところもいい」と言う。
神奈川県で生まれ育ち、15歳の時、父の実家がある別府に家族で移り住んだ。6年前、たまたま別府で再会した学生時代の友人が生まれ故郷でもない別府の温泉に詳しいことに驚いた。「何でこんなに知ってるんだ」。すぐに自らも温泉を巡るようになり、半年ほどかけて別府八湯温泉道の名人位を獲得した。
市内でIT企業を経営しているため、取引先など客を迎えることが多い。別府の良さを知ってもらいたいと、事前に相手の温泉の好みを聞き、案内する。海外からの客を温泉でもてなすこともあるという。
他にもお気に入りの湯はできたが、一番よく行くのはやっぱり地元の京町温泉。「家の風呂と違い、温泉だと、いろいろなことをリセットできる気がする。常連さんとの会話も楽しい。ここに来ない生活をしていたら、もっとストレスがたまっていたと思いますね」
いけだ・かつたて 1979年、神奈川県川崎市生まれ。別府市でIT企業を経営し、オンラインの英会話教室を開く。1歳の長男と遊ぶことに夢中な“イクメン”。
営業時間は午前6時半~11時と、午後2時~11時(10~3月は午後10時半まで)。入浴料は100円。定休日は第3日曜日。問い合わせは京町温泉(TEL0977・25・9766)。