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「障害者にはできない」社会の思い込みが壁に 相模原殺傷事件公判に寄せて

別府「太陽の家」理事長・山下達夫さん

 相模原障害者施設殺傷事件の公判が始まった。「障害者は不幸をつくるのでいらない」と発言したとされる植松聖被告。世の中に価値のない命などあるのか。別府市内竈の社会福祉法人「太陽の家」理事長、山下達夫さん(60)に思いを聞いた。

 1歳2カ月で脊髄性ポリオ(小児まひ)になって、左手の肘から先しか思うように動かせません。中学校までは母親に背負われて通い、身の回りの世話をしてもらう生活が当たり前でした。父親に「将来のために自立しなさい」と言われ親元を離れて特別支援学校に入り、寮で毎晩遅くまで勉強しました。
 卒業後、障害者の自立を支援する太陽の家に入所しました。仕事を用意されましたが工場作業が中心で、四肢まひが残る私に就職は難しいものでした。
 1983年、施設創設者の故中村裕医師が、重い障害のある人も働けるようにと、民間との共同出資でIT関連会社を設立しました。入社が決まった私に、中村さんはこう声を掛けました。「頑張れよ山下。この会社は君たちが踏ん張らないと成長しないんだよ」。握手のぬくもりは忘れられません。
 システムエンジニアの仕事は好きではありませんでしたが、必死に働きました。23歳で太陽の家職員だった妻と結婚し、子ども2人に恵まれました。長女には中村さんから1字をもらって「裕子」と名付けました。
 チャンスがあれば、他の障害者も私と同じ道を歩めます。でも、社会の「障害者にはできない」という思い込みが壁になっています。やらせてみて、できるようになるにはどうすべきかを考えてほしいと思います。
 相模原の事件では元職員が起訴されました。障害者に比べ、職員が悩みを抱えた時に相談先が少ないことは問題だと思います。障害者は介護者がいるから生活できるし、介護者も利用者がいるから生活できる。お互いさまなんです。世の中は障害者を弱者だと思って、そちらに目が向き過ぎではないでしょうか。
※この記事は、1月9日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。
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