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「共謀罪」成立、別府署隠しカメラ事件関係者の懸念

 「ますます監視社会になるのではないか」―。共謀罪の趣旨を含んだ改正組織犯罪処罰法が成立した15日、別府署の隠しカメラ事件の舞台となった別府地区労働福祉会館(別府市南荘園町)の関係者は不安を募らせた。不法に監視されたことを忘れまいと3日前、会館の敷地内に事件の経緯を記した看板を設置したばかり。「共謀罪がなくても事件は起きた」。疑念は拭えていない。
 看板はカメラが取り付けられ、事件後に伐採された木の切り株に設置した。
 アクリルとアルミ製で縦30センチ、横42センチ。参院選の選挙違反捜査に絡み昨年6月、会館の敷地にカメラ2台が設置された経緯を記し、敷地の見取り図やカメラ本体の写真を掲載している。
 会館を管理する別速杵国東地区労働者福祉協議会の矢須田士(ものぶ)事務局長は「警察はここまでやるのか」と憤ったのを覚えている。
 共謀罪を巡っては「犯罪を計画段階で把握するため盗撮・盗聴捜査が横行する」との懸念が根強い。政府は「一般の人は処罰対象にならない」と繰り返すが、矢須田さんは「一般市民かどうかの線引きをするのは結局は捜査機関だろう」と指摘する。
 大分県警では隠しカメラ事件に続き、宇佐署員のスマートフォン持ち去り事件、別府署の捜査情報漏えい事件などが相次いだ。
 今月には知り合いの警察官の交通違反をもみ消す不祥事も発覚。「捜査機関が信用できるとは思えない」と矢須田さんは切り捨てる。
 隠しカメラ事件では関係した警察官が建造物侵入罪で罰金刑を受けた。しかし「プライバシー侵害は置き去りにされた」と看板には記されている。
 最高裁は3月、衛星利用測位システム(GPS)を利用した捜査を巡り「プライバシーを侵害し、令状がなければ違法」と初判断を示している。矢須田さんは「共謀罪が成立しカメラを使った捜査はどんどん広がるかもしれない。最低限、GPSと同じように裁判官による令状が必要だと規定するべきだ」と訴えている。 

第三者がチェックを
 警察の活動に詳しい清水勉弁護士の話 インターネットの会員制交流サイト(SNS)の普及やデータサーバーの機能向上により、民間事業者は膨大な個人情報を保有している。共謀罪ができれば警察による市民への監視が強まり、疑いがあると情報提供を求めてくれば、任意だとしても事業者が拒否するのは難しい。尾行や盗聴といった従来の手法では予算や人員の都合で限界があったが、過去にさかのぼって簡単に情報を入手できるようになった。事業者側のルール作りだけでなく、警察が集めた情報を一定期間経過した後に廃棄させる制度を設け、適切に運用されているかどうかを第三者がチェックする仕組みを構築すべきだ。

庇護望む風潮感じる
 政治学者の姜尚中・東京理科大特命教授の話 共謀罪とは心を裁くことだ。戦後民主主義が堅持してきた「国家は内心に介入してはならない」という原則が破られた。監視社会が到来するとの懸念も示されたが、国民に広く浸透しなかった。これまでは監視社会と聞けば、息が詰まるような印象を受けたものだが、今はむしろ国による監視や庇護(ひご)を望む風潮を感じる。日本では「自分たちが国の主人公」との考え方がいつになっても定着しない。この先に何があるかは歴史から容易に想像できる。「お上に全てお任せ」という考えを捨て、自らが国の行く末に責任を持つ姿勢が求められる。
※この記事は、6月15日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。

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