各党が主張する消費税減税だが、手法はいくつか想定される。主には、税率をゼロにする「ゼロ税率(免税)」と、特定の取引に消費税をかけない「非課税」がある。高市早苗首相は明言を避けており、自民党公約の表現も曖昧だ。どちらを採用するかで事業者への影響は異なる。
スーパーなどの事業者は、仕入れなどで取引先に消費税を支払っている。食料品では軽減税率の8%、備品や電気代などは通常の10%だ。税務署には商品を販売した際に受け取った消費税から、支払った消費税を差し引いて納めている。仮に支払った消費税の方が多い場合は、超過分の還付が受けられる。
ゼロ税率であれば、消費者から受け取る消費税がなくなっても、仕入れや経費にかかった分の消費税の還付を受けられる。一方、非課税になると還付は受けられなくなる。事業者は取引先に支払う消費税を自ら負担するか、販売価格に上乗せする必要が出る。経済的な影響が大きく減税の効果は薄れる見通しだ。
自民は公約で「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、(超党派の)国民会議において実現に向けた検討を加速する」と訴えている。文面からはゼロ税率か非課税なのかはっきりしない。
1月26日の党首討論会で国民民主党の玉木雄一郎代表は「免税か非課税かで対応が大きく分かれる。どちらなのかということを明確に」と質問した。高市首相は「どちらに近いかといえば免税に近いという感触だ」と答えたのに対し、玉木氏は「どっちが近いではなく、どっちかしかない」と批判するなど応酬に発展した。
高市首相は、医療のような非課税ではないとも述べており、ゼロ税率を念頭に置いているようだ。ゼロ税率の場合でも、還付までの間に事業者の資金繰りが悪化する恐れや、事務手続きの負担増が懸念されている。ある税理士は「税務署の業務も桁違いに増えるだろう」と危惧する。
首相は解散を表明した1月19日記者会見では、消費税減税を「私自身の悲願」と表現していた。しかし、1月26日のテレビ番組では「国民会議で一定の結論が出ない限り、法律案に結び付かない」と発言するなどトーンを弱めており、具体論に踏み込んでいない。
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