「原発ゼロ」を掲げていた立憲民主党と、公明党が1月に立ち上げた新党「中道改革連合」。大方針を列挙した綱領に原発ゼロの記載はなかった。より具体的な基本政策では「将来的に原発へ依存しない社会を目指す」としつつ、実効性のある避難計画の策定や地元の合意など条件付きで再稼働を容認し、脱原発はトーンダウンした。原発活用を訴える与党との違いも見えにくい。
2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、国内の原発は次々と停止。再稼働に向け政府が課した安全評価(ストレステスト)や、地元同意が難航し、国内で稼働する原発はゼロになった。当時の民主党政権は12年9月、原発に対する厳しい世論の後押しを受けて「30年代の原発ゼロ」を打ち出した。
自民党を中心とする政権に交代しても原発への不信感は根強く、14年に決まった国のエネルギー基本計画には「原発依存度を可能な限り低減する」との文言が盛り込まれた。
一方で、電力を安定供給できる電源とも位置付けられ、再稼働は徐々に進められた。それでも17年に結党した立憲民主党は、脱原発へとさらに踏み込み「原発ゼロを一日も早く実現する」と綱領に明記した。
だがロシアがウクライナに侵攻した22年を境に燃料価格が高騰し、エネルギー情勢は一変。各国で原発回帰の動きが目立ち始めた。立民は同年公表した政策集で、脱原発を「50年までのできる限り早い時期」と後退させた。
政府が昨年まとめたエネルギー基本計画は、原発は依存度低減から最大限活用に転換。24年度の発電電力量に占める比率は9・4%だったが、人工知能(AI)の普及などで電力需要は増えるとして、40年度の比率を「2割程度」に据えた。
立民は昨年の政策集にも避難計画と地元合意のない原発の「再稼働は認めない」と書き込んでいたが、中道の基本政策は原発の抑制的な活用を訴える公明に配慮した形となった。
こうした変化について、法政大の高橋洋教授(エネルギー政策)は「再生可能エネルギーを優先する政策において両党は近い。だが原発の是非に対する国民の関心が下がる中で今回は公明の立場に歩み寄った」とみる。
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