選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。年間企画「青が咲く」の夕刊編は、懸命に自らの人生を切り開こうとしている大分県内の18、19、20歳を追う。
※大分合同新聞 夕刊社会面 2016(平成28)年5月24日~2017(平成29)年3月25日掲載
ロボット、怪獣、ヒーロー、美少女―。カウンターにフィギュアがひしめく。 「今季どのアニメが当たり?」「あの声優、復活したって」「え!?やったー」 オタクが集う大分市中心部のバー「おた・らぼ」は、今夜も愛好者たちがグラスを片手に盛り...
「浦安の舞」が始まった。 シャシャンと鈴を鳴らし、深く腰を落とす。しなやかに、滑らかに、厳かに。 宇佐市安心院町の中野千穂(20)は宇佐神宮の「みこ」だ。伝統装束の白衣と緋袴(ひばかま)を身にまとうようになって2度目の冬を迎えた。...
あの「ときめき」から7カ月がたつ。昨夏、夢をつかんだナインと一緒に甲子園練習(開幕前)に参加した。その賛否を巡る論争が引き金となり、今春のセンバツから女子部員も制限付きで聖地に立てるようになった。「いろいろ言われたけど……結果的には良かっ...
1日の訓練が終わった。 県内の陸上自衛隊駐屯地に勤務するヒロシ(20)=仮名=は隊舎のベッドに横になり、スマートフォンに指を滑らせる。 南スーダン国連平和維持活動(PKO)からの自衛隊撤収、国会で集中砲火を浴びる女性防衛相、北朝鮮...
幼稚園の頃だ。自宅近くの道路でモスグリーンの自衛隊関係車両を見た。 手を振ると、車内の大人は笑顔で応えてくれた。「格好いい。僕も将来、自衛隊員になりたい」。幼心に決めた。 小学校からスポーツで体を鍛えた。県内の地元県立高校に進み、...
首藤桃奈(ももな)、18歳。 大分高校(大分市明野高尾)の野球部元マネジャーが最後に制服を着たのは、3月1日の卒業式だった。 ――高校生活、どうだった? 「とても充実してました。全国の女子高生で私より幸せな人は多分いないと思う...
3年前である。 大分高校(大分市明野高尾)の野球部元マネジャー首藤桃奈(ももな)(18)は、大分中学の卒業式で答辞を読んだ。 <私には夢と希望があります。大分高の野球部マネジャーになって甲子園に連れて行きたいです>。みんなに宣言し...
「私」には夢がある。 大分市育ちの首藤桃奈(18)に迷いがないのは、大分高校野球部の女子マネジャーを3年間務めたからに他ならない。 アナウンサーになる。自分や仲間を信じるスポーツ選手の努力、汗、涙、ひたむきさを多くの人に知ってもら...
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