記者 最近、お酒を飲む機会が多くて、つい先日、動けないほどひどい二日酔いになってしまいました。そもそもなんですが、二日酔いって何なのでしょう?
松浦教授 それは大変でしたね。飲み過ぎは体と心に毒ですよ。
さて、二日酔いを医学的に説明すると「血中にアルコールがなくなった後に出てくる一連の症状」のことを言います。
一連の症状とは吐き気や頭痛、めまい、気分の落ち込み、集中力の低下―などのことです。
ただ、最初に言っておくと、二日酔いって原因がまだはっきり解明されていないんです。
記者 え!? そうなんですか。アセトアルデヒドが原因と聞いたことがありますが…。
松浦教授 アセトアルデヒドは、アルコールが肝臓で分解されてできる物質です。
飲酒後に顔が赤くなったり、頭が痛くなったりする症状はアセトアルデヒドの毒性が原因と考えられています。
なので、二日酔いの原因もそれであるならば、アセトアルデヒドを分解する能力が高い人は二日酔いにならないということになりますよね。
前回【
酒と健康②アルコール体質】で説明したアルコール体質を基に考えると、欧米人の9割以上がアセトアルデヒドを素早く分解できる体質を持っていますが、二日酔いにはなります。
この関係性をみると、二日酔いの原因がアセトアルデヒドだと決めつけることはできません。
記者 そうなんですね。では何が原因なのですか?
松浦教授 今、考えられているのが、アセトアルデヒドが分解された後にできる酢酸の作用です。
記者 酢酸は無毒だと聞いていましたが。
松浦教授 はい。酢酸自体は無毒で最終的には水や二酸化炭素に分解されて体外に排出されますが、脳への影響や毒となる別の物質の反応を進める可能性があり、それが二日酔いの原因となっているのでは―と考えられています。
その他にも、いくつか説があるので簡単に紹介しますね。
(1)体が何らかの炎症を起こしている説
(2)アルコールが脳内で神経毒になる物質を作っている説
(3)睡眠障害説
(4)アルコールが肝臓でブドウ糖の産生を抑制し、低血糖を起こしている説
―などです。
否定的なものも含めて他にもいろいろな説があります。
記者 そんなに多くの説があるんですね。びっくりしました。
松浦教授 ただ、どの説も「まだ確証はない」というのが結論です。私はこれらの説が複合して起きる「多因子説」が有力なのではと思います。