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202042日()

東西南北

2019.12.7



 はやりのラグビーの話をしよう。常勝軍団と称される某チームは選手層が厚く、固定のオールドファンが多いことで知られる。安定感を求め、先発メンバーには総じてベテランを起用する▼経験が豊富だ。まあ試合巧者ではある。ただ近頃は傍若無人な突破が目に余り、相手選手が「紳士たれ」と忠言しても聞く耳を持たない。ミスから反撃されるとむきになり、客席やレフェリーの目の行き届かない所では平然と反則まがいのプレーをする。ふてぶてしい▼強い、というより他チームが弱い。そのことを察していながら、好敵手と切磋琢磨(せっさたくま)して業界全体の競技力を上げよう―とはつゆにも考えない。大事なのは己の保身だ。犠牲心で列島をとりこにした日本代表のような爽快感はなく、試合を見守る茶の間は「もどかしさ」や「後味の悪さ」を感じるばかり▼裏方で支えるスタッフたちは自由に物を言えず、戦況が不利になるスコアやデータは破棄しなければわが身が危うい。先日発表された今年の新語・流行語大賞の年間大賞「ONE TEAM」ではないが、別の意味でメンバーおよび周辺の関係者が「一つ」に結託している……のはみんな知っている▼限りなく黒に近いグレーのジャージーを着ている。選手を率いる首相、じゃなかった主将は最近、歴代最長の在任記録を更新した。タックルされても「真実」という球は離さない厚顔のワンチームである。
2019年12月7日

東西南北

 

 大分合同新聞の顔とも言えるコラムです。朝刊1面に掲載。短い文章ですが、政治や世の中の動き、いま話題の事柄を鋭く、時に風刺の効いた、心温まる筆致で描きます。故事来歴などのうんちくも豊富。文章に親しみ、物事を考えるヒントにもなる。それが「東西南北」です。

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