「このにぎわい! こんなん記念に絶対撮っとかんといけん!」 大分商ナインが甲子園に向けて出発する7月31日の朝。学校では前日に呼びかけたにもかかわらず、大勢の生徒が見送りに駆けつけていた。そんな中、見送られるはずの那賀誠監督は、スマートフォンを片手に息荒く、あちらこちらと駆け回っていた。 生徒会メンバーは、応援メッセージをびっしりと書き込んだ横幕(縦2メートル、横3メートル)を持って登場。「大商旋風を巻き起こせ」「甲子園優勝」「大商魂」などと心躍る文句が並んでいた。 大分商の全校生徒707人のうち、男子はちょうど200人。「女子力高め」のカラフルでかわいらしい寄せ書きに感動した那賀監督は、出発式直前まで「ありがとうなあ」と一人一人に感謝を伝え、撮影しまくっていた。 野球部への熱烈な応援は、今に始まったことではない。創立110周年の記念事業で、5月に広島商との招待試合を実施した際も、別大興産スタジアムは全校応援で盛り上がった。 「あれ以来、応援がすごく選手たちの力になった。勢いをもたらしてくれたおかげで、一気に頂点まで駆け上がることができた」。指揮官は優勝旗を持ち帰った日の全校集会で、ナインの力だけでは優勝に届かなかったことを何度も強調し、感謝の言葉を繰り返した。 那賀監督にとって甲子園は2023年のセンバツ以来。「前回は終盤の敗戦間際で大商コールが沸き起こった。あの歓声が序盤から出るようなリードする展開に持ち込み、全校で甲子園を沸かせたいね」と思いをはせていた。 そして迎えた8日の甲子園初戦。思い描いた展開で見事に勝利し、2回戦に駒を進めた。全校応援に力をもらったメンバーが旋風を巻き起こし続ければ、大商コールはさらに大きくなるはずだ。(福)
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