運転免許を取得した男性。タブレットで問題音声を聞き、解答用紙に○×を記入する形で受験した=杵築市日野
読み書きが難しい「ディスレクシア」の発達障害がある県内の男性会社員(18)が1月、普通運転免許を取得した。県公安委員会が、仮免許や本免許の学科試験でタブレット端末を使い、問題文を音声で聞いて○×を解答用紙に記入する形での受験を認めた。県警によると、タブレットの読み上げ機能を使った試験実施は全国初という。
男性は昨年3月に特別支援学校を卒業し、県内の企業に就職した。通勤のために免許を取ろうと、5月に杵築市日野の杵築自動車学校に通い始めた。
男性は、目で見た文字と意味を頭の中で結びつけることが難しい。授業形式の口頭による学科実習や運転の技能実習は問題なく取り組めたが、ペーパーテストの学科試験はハードルが高かった。男性と母親は、県警に試験問題の読み上げなど合理的配慮を求め、受験が実現した。
男性は自宅でタブレットやスマートフォンの音声読み上げ機能を駆使しながら、教本に書かれている交通法規を覚えた。1時間の授業内容を頭に入れるのに2~3倍の時間がかかったという。
仮免許は自動車学校で受験。本免許試験は大分市松岡の県運転免許センターで受けた。他の受験生と同じ部屋に入り、タブレットの音声をイヤホンで聞きながら解答した。3回目の挑戦で免許証を手にした。
男性は「車を運転して行きたい場所に行けるようになってよかった。私のように試験を受けることが難しかった人が声を上げ、運転できるようになるといい」と話した。
障害者差別解消法では、希望に合わせて困り事に対応する「合理的配慮」を行政や民間事業者に義務づけている。県警は「運転免許取得で合理的配慮を希望する人は相談してほしい」と呼びかけている。相談窓口は県運転免許センター(097-528-3000)。