由布市庄内町のログハウスを活用し「お米の学校」を開きたいと語る山口賢三さん一家=由布市庄内町西
【由布】コメを自給したい人や新規就農者らにコメ作りの技術を伝える「お米の学校」の開設を目指す由布市庄内町高岡の農家、山口賢三さん(34)が、来年1月10、11日に庄内町西のログハウスで受講希望者向けの説明会を開く。2月から週に1、2回、約10カ月間のカリキュラムを予定しており、生産者を育てることで中山間地域が抱える担い手不足や耕作放棄地の増加などの課題解決につなげる狙いもある。
山口さんによると、コメの価格高騰や食育の普及などで稲作に関心のある人は多いが、農業技術を習得する機会は限られ、高額な農機が必要なこともハードルになっている。「お米の学校」では、ほ場で栽培実習をしながら有機稲作の理論を学ぶ。“卒業”後は地域から耕作を依頼された農地の貸し出しや、農機具のレンタルでサポートする。
山口さんは福岡市出身。2020年、コロナ禍を機に食料を自給しようと姉夫婦に教わりながら家族分のコメ作りを始めた。22年には由布市内に移住して就農し、現在は後継者がいない水田などを借り、自家製の肥料で有機栽培をしている。地域の高齢化が進み、近い将来、水路の維持管理が難しくなることを危惧しており、担い手を育成することにした。
実習などで使う農機の購入費用などに充てるため、今月30日まで「キャンプファイヤー」でクラウドファンディングを実施中。使わなくなった農機具を譲ってくれる人も募っている。山口さんは「地域とコメ作りに意欲のある人の仲介役となり、農地を守り環境保全をしていきたい」と張り切っている。問い合わせは、山口さん(080-3905-8639)。