書の甲子園団体の部で優勝した大分南高書道部=大分市判田台南の大分南高
【大分】「書の甲子園」と呼ばれる第34回国際高校生選抜書展の団体の部で、大分市判田台南の大分南高書道部が優勝した。8年ぶり2回目の全国制覇。部員28人は「団結力で勝ち取った日本一。努力が報われて良かった」と喜んでいる。来年2月に大阪市で表彰式があり、全員で書のパフォーマンスを披露する。
同展には国内外から1万634点の応募があった。団体の部は、入賞・入選した個人の合計点で競い、同高は最高賞の文部科学大臣賞と、それに続く大阪府知事賞に後藤明依さん(18)=3年、準大賞に藤原茉央さん(17)=同=が入賞。他に12人が入選した。
昨年まで2年連続の準優勝で涙をのんでおり、3年生9人は「先輩たちの思いを引き継ぎ、絶対に優勝する」と4月に下級生の前で宣言し、平日2時間、休日4時間の練習に励んできた。
臨書の部で文部科学大臣賞を受賞した高柳里緒さん(18)=3年=は、1年の時に臨書、2年から創作に取り組み、表現の幅を広げてきた。受賞作は中国・東晋時代の石碑「爨宝子碑(さんぽうしひ)」。手本をなぞるだけでない自分らしい書を求め、夏休みに午前8時から午後8時まで筆を握った。納得のいく作品ができたのは締め切りの2日前。「どうやって書いたのか自分にも分からない」と振り返る。
これまでの努力が最高の形で評価され「みんなが頑張っているから自分も頑張ろうと思えた。導いてくれた先生、応援してくれた母にも感謝したい」と喜んだ。
鹿苑晋史顧問(43)は「3年生の熱量が下級生にも伝わり、全員で支え合ってがむしゃらに頑張る姿はかっこよかった」とたたえた。
部長の冨高千洸さん(18)=3年=は「先輩の悔しさを晴らすことができ、ほっとした。書道で身に付けた集中力や仲間と力を合わせて最後までやり抜く力を引き継いで頑張ってほしい」と後輩にエールを送った。