金鱗湖前で握手を交わす長野恭紘・別府市長(右)と相馬尊重・由布市長=23日午前、由布市湯布院町川上
国内有数の温泉地である別府市と由布市は23日、由布市湯布院町川上の亀の井別荘・庄屋サロンで「世界一の保養・大温泉郷協定」を締結した。異なる魅力を持つ、隣接する両市が力を合わせて世界一の温泉観光都市として国内外に向け誘客活動を実施し、県全体や九州に経済波及効果をもたらす、けん引役になることを目指す。
協定締結式には長野恭紘(やすひろ)別府市長、相馬尊重由布市長が出席。県観光局の渡辺修武局長が立会人を務め、2人が「国内外の誘客に向けたプロモーション事業、企画事業などを共同で実施」することなどが盛り込まれた協定書に署名した。
長野市長は「移動、情報ツールの発達で世界が狭くなる中、魅力を共有し、リスクを分散する時代となった。協定のメリットを県全体に浸透させたい」、相馬市長は「数年前から一緒に何か取り組めないかと話をしてきた。日本を代表する観光地としてさらに磨きをかけ、世界に発信していきたい」とあいさつした。
別府市観光課によると、観光庁の宿泊統計調査(2019年)のデータを基に算出した1人当たりの平均宿泊日数は別府市が1・09泊、由布市は1・11泊。全国主要温泉地の平均は1・27泊で、滞在日数が短いことが両市共通の課題となっている。心と体を癒やす保養温泉地をアピールすることで長期滞在者を増やす狙いもある。具体的な事業内容は今後両市で決めていくが、海外の富裕層をメインターゲットにした広域観光ツアーの実施、首都圏を中心とした誘客プロモーション、交流サイト(SNS)などを活用した情報発信などを考えているという。
締結式の会場となった亀の井別荘は「別府観光の父」と呼ばれる油屋熊八が大切な客人をもてなすために建てた、両市ともにゆかりのある場所。協定式後には両市の観光関係者による意見交換会があった。
別府市旅館ホテル組合連合会の西田陽一会長は「民間同士では共同でPR活動をしてきたが行政が加わり力強く思う」、由布市まちづくり観光局の桑野和泉代表理事は「両市の個性をより際立たせながら、多様な魅力を発信できるようになるといい」と期待を込めた。