「くす天空の輝き」の候補になるひとめぼれをコンバインで収穫=玖珠町古後
【玖珠】人工衛星が撮影した画像データなどを活用して玖珠町の新たなブランド米「くす天空の輝き」を作る取り組みで、候補となるひとめぼれの稲刈りが町内で進んでいる。タンパク質含有量や粒の大きさなど厳しい基準を設け、クリアした特上米を早ければ月末から販売する予定(価格は未定)。関係者は「米どころの高級米として確立できれば」と期待している。
ブランド化は2022年、町と農家有志が宇宙ビジネス創出の一環で始めた。
衛星からのさまざまな画像や気象データを組み合わせて生育状況を把握し、パソコンやスマートフォンで見られるウェブシステムを参加農家に提供。長年の経験や県、JAの協力による実測値など「地上データ」と併せて活用する。
今年、町内の26戸が初めて取り組み、町農林課によると計約67トンを収穫の見込み。その後、▽農薬、化学肥料を減らした1等米▽粒厚が2ミリ以上で食べ応えがある▽タンパク質含有量が6・3%以下で粘りと甘みが強い―といった基準に沿って選別する。
17日、同町古後の宿利和昭さん(69)の田んぼではこうべを垂れた稲穂をコンバインで次々に刈り取った。13年前にUターンして米作りを始めた宿利さんは「水不足に悩まされた時期もあったが、出来は良い。ウェブシステムは、何年もデータを蓄積すれば経験不足の生産者の強い味方になると思う」。宿利政和町長は「関係者と連携して技術を高め、将来は5キロ1万円レベルの品質を目指したい」と意気込んだ。
販売は、同町帆足のくすここのえ産直ネットが取り扱う。同町のふるさと納税の一部サイトでは、返礼品の一つにして申し込みを受け付けている。問い合わせは同課(0973-72-7164)。