大分の郷土料理を提供する「九州八豊やせうまだんご汁」の経営者、西村光代さん=大阪市内
多くの飲食店が立ち並ぶ大阪市の繁華街・ミナミに、大分の郷土料理をアレンジして出す店がある。その名は「九州八豊(はっぽう)やせうまだんご汁」。おやつとおかずの名を一緒に冠した看板メニューは好評を博し、大分県出身者にも珍しがられている。
9月上旬、大阪・関西万博を取材した際、関西大分県人会の副会長を務める西村光代さん(63)=大阪市=に出会った。先代の両親から店を引き継ぎ、経営していることを知った。
西村さんの父・林田寛さん(国東市国東町出身、故人)が1965年、証券会社を退職して母の啓子さん(84)と大阪市港区にすし店を開いたのが始まり。道頓堀に移転した78年、だんご汁を鍋料理にアレンジした「やせうまだんご汁」を開発してヒットした。
シイタケ、エビ、サケ、タイ、ハモ、鶏肉などのさまざまな具材が入り、しょうゆと数種類の合わせみそ、練りごまで味付けした風味豊かなだしが特徴。やせうま、だんご汁で使う手延べした団子を入れる。薬味はゆずごしょうで、「栄養満点のヘルシー食」とアピールする。
90年ごろに現在の大阪市中央区千日前に移った。店名につられて入店した大分県出身者は意表を突かれ、「やせうまだんご汁っち何?」と店員にたびたび聞いてくるという。
「普通のメニューと思っていた大阪の人が大分を訪れて店で頼んだら、『別々の料理が出てきた』と言われることが何度もあります」と西村さんは笑う。
ほかにも、とり天、ぎょろっけ、車エビ、県産酒を並べて「大分色」を前面に打ち出している。
西村さんは「大分の食と酒を愛する人に長く使ってもらい、新しいファンもまだまだ増やしたい。両親が育てた『やせうまだんご汁』を大切にしていきたい」と語った。