都甲史戴星塾の会員らが制作した吉弘統幸の生涯を紹介するかかし=豊後高田市新城の都甲地域歴史資料展示場
【豊後高田】豊後高田市都甲地区の有志でつくる郷土史研究グループ「都甲史戴星塾」(河野三男塾長、29人)は、同地区出身の戦国武将で大友氏に仕えた吉弘統幸(むねゆき)(1564~1600年)の生涯を紹介するかかしを作った。没後425年に合わせた取り組み。12~15日に同市新城の都甲地域歴史資料展示場で披露する。
統幸は大友家の重臣の一人。大友家再興を懸けた1600年の石垣原の戦い(別府市)で黒田官兵衛軍に敗れ、討ち死にした。親戚に全国的に人気の高い高橋紹運や立花宗茂がいる。
かかしの展示は、統幸の誕生から戦死するまで10シーンに分けて構成。制作には同グループ会員や戴星学園の児童生徒ら約50人が協力し、7月から2カ月かけて約50体を完成させた。
かかしに使う着物や小道具などは近所の人が使わなくなった古着などを持ち寄ったほか、馬のひづめに竹の根を使うなど細部まで工夫。統幸の居城・屋山(543メートル)をかたどったジオラマも制作し、戦国時代の都甲地区を再現した。
中野幸輔実行委員長(78)は「馬に乗った合戦の様子など臨場感にこだわった。大工や土木建設など会員それぞれの得意分野を生かし、総力で作り上げた」。
展示は午前10時~午後4時。期間中は会員による解説も予定している。12日は午前10時からの四百二十五回忌法要後、地元産農作物などのバザーもある。
河野塾長(77)は「高齢化率約60%と過疎化が進む都甲地区を盛り上げるため、地域一丸で頑張っている。かかしはイベント終了後、常設展示したい」と話した。