「向陽台だより」の発行を続けている堀口厚さん(中央)と渡辺文雄理事長(左)、岡田雅子さん=国東市武蔵町
【国東】国東市の安岐町と武蔵町にまたがる住宅団地「向陽台」で親しまれている地域情報紙「向陽台だより」が、7月に創刊20年を迎える。地域のさまざまな話題を発信し、暮らしに彩りを添えてきた。1人で取材、編集を担ってきた堀口厚さん(83)は「みんなが喜んでくれるのが何よりの励み。元気な限り続けたい」と張り切っている。
堀口さんは安岐町朝来出身。2003年に神戸市の会社を定年退職して妻と2人で古里に移り住む際、大分空港が近いとの理由から、県住宅供給公社(大分市)が分譲する向陽台を選んだ。
会社員時代に社内の回覧資料の執筆などを経験したことから、国東では市シルバー人材センターの広報誌の作成に携わった。誌面を目にした公社職員から「向陽台の活性化のため」と情報紙の発行を促されたという。団地には県外からの移住者も多く、住民同士の親睦につながればと考え、快く引き受けた。
第1号は05年7月に発行。A3判片面カラーで、団地の概要や住民のエッセー、地元の祭りの写真などを掲載した。毎年1、5、9月に作り続け、団地の子ども会に新しく入った小学1年生や町内のイベント、各家庭のペットなどを紹介してきた。
公社が300部ずつ印刷。団地内の全約250戸をはじめ市の公共施設や高齢者施設などに配布している。分譲当初の風景と現在の姿を写真で比較するコーナーなどが人気らしい。住民から「あの記事が面白かった」などと声をかけられることもあり、励みにしている。
節目を前に今月18日、公社の渡辺文雄理事長から感謝状を受け取った。長女の岡田雅子さん(53)=神戸市=を連れて贈呈式に参加した堀口さんは「愛される情報紙作りに努めたい」と話した。