竹田市直入町長湯にオープンした「喫泡うたかた」の(左から)桑島孝彦さん、池英里さん、甲斐哲哉さん=竹田市直入町長湯
【竹田】竹田市直入町の長湯温泉の温泉水を利用した料理、コーヒーと、レコードの音楽が流れる喫茶店「喫泡(きっぽう)うたかた」が同町長湯にオープンした。オーナーの桑島孝彦さん(43)は「うたかたの夢のような、はかないひとときかもしれないが、洗練された空間で上質な時間を過ごしてもらえれば」と語った。
店は同所の茶房「川端家」を利用。精製した温泉水を利用して、パエリアを炊き、パスタをゆでる。コーヒーをはじめとする飲み物やスイーツにも使う。
長湯温泉の炭酸泉はカルシウムとマグネシウムが豊富な超硬水。コメは粒立ちが良くパラパラとした仕上がりになる。パスタは水分を含みすぎず弾力が出て、歯ごたえともちもち感、両方を味わえるという。鉄分も含まれており、「体が喜ぶ食事を作りたい」と桑島さん。
店は甲斐哲哉さん(73)、池英里さん(41)らが切り盛り。それぞれのこれまでの経験を生かす。
コーヒーを担当する甲斐さんは陶芸家で、自ら手がけたカップで提供する。「温泉水を使うと優しい味わいになる」と言い、店内に響かせるレコードは自身のコレクションから選ぶ。
桑島さんは東京でイタリアンの修業を積み、2012年にUターンした。生まれ育った市内の城下町にレストラン「オステリア エ バール リカド」をオープン。温泉水を使った料理を提供するとともに、町を盛り上げてきた。
今回は知人から同町の空き家の活用を打診されたのをきっかけに出店することになった。桑島さんは「町は外から訪れる人が増えないと活性化しない。食を通じて人が訪れ、仲間ができる場にしたい」と話した。
営業は午前11時~午後4時と同6~10時。食事の提供は午前11時~午後1時半と午後6~8時。同8時以降はバーになる。定休日は月、火曜。店のインスタグラムでも営業日程を知らせる。