別府市の歴史や文化などを紹介する「通史編」(左)と連動させ、詳しい内容を写真や図を充実させた「図鑑編」=別府市役所
【別府】別府市は市制100周年を記念し、新しい「別府市誌」を作成した。「通史編」と「図鑑編」の全2巻。両編の項目を連動させ、合わせて読むとより深い内容が分かるように編集した。「川が町になる!不夜城『流川』」「チャップリンが別府に来た!?」など各項目のタイトルがユニークで、楽しんで読める内容になっている。
有識者らで構成する「編纂(へんさん)委員会」(委員長・飯沼賢司別府大名誉教授)がまとめた。通史編と図鑑編のいずれもオールカラーで、100年に合わせ六つのテーマで計100項目を取り上げている。テーマは「自然を知る」「土地の記憶」「温泉の恵」など。
通史編の各項目はおおむね2ページで完結しており、興味のある項目から読めるように工夫した。幻の亀川藩を取り上げた「亀川の謎」や、映画と演芸でにぎわった歴史を紹介する「九州の浅草六区!」など、目を引くタイトルと内容で別府の魅力を再発見できる。
図鑑編は国内の博物館などから資料を集めてテーマごとにまとめた図録。写真や図にはそれぞれ詳しい解説を載せている。
通史編は縦218ミリ、横167ミリの持ち運びしやすいサイズで2200円、図鑑編はA4判で4400円(いずれも税込み)。市教委社会教育課や市内の書店などで購入できる。
同課によると、市誌はこれまで1928年から5回発行。いずれも文章を中心とした読み物の要素が強かったという。5月1日からは市公式ホームページで両巻の全データを日本語版と英語版で公開している。
同課は「ガイド本のような作りで、市民だけではなく観光客にも活用してもらえるのではないか。楽しく読んでもらえたらうれしい」と話した。