全国高校家庭科技術検定で「4冠」を達成した日野結菜さん=別府市の別府溝部学園高
【別府】別府溝部学園高(別府市)3年の日野結菜さん(18)=普通科ライフデザインコース=が全国高校家庭科教育振興会主催の技術検定を、全4種目(被服製作の和服・洋服、食物調理、保育)で1級に合格した。「4冠」を達成したのは全国でわずか50人。県内は日野さんのみだった。
1年時から検定に挑戦。4級から合格を積み上げた。いずれも筆記と技術の試験があり、1級は長着や裏付きジャケットの製作、ピアノの弾き歌い、供応食の調理など高度な技術が問われた。
服飾を学びたいと同校に進学した。進路に役立てるだけでなく、家庭生活でも生きるさまざまな技術を習得したいと「4冠」を目標に掲げてきたという。
得意でなかった裁縫は、教員の指導や専門書で研究するなどして腕を磨いた。最も苦労したのがピアノ。未経験だったため楽譜に「ドレミ」を書き込み、手首を痛め泣きながら練習をすることもあった。
同コースの二宮エミ主任は「さまざまな知識や技術が必要で、途中であきらめる生徒もいる。勉強や部活、各イベントなど忙しい中でも計画的に取り組んでいた。とても努力家の生徒」とたたえた。
小さな頃からファッションデザイナーを夢見てきた日野さん。卒業後は服飾の専門学校に通う。「努力をすれば成果が出ると信じて頑張った。3年間指導してくれた先生、サポートしてくれた家族に感謝したい」と喜んだ。