性感染症の梅毒の感染者が急増している。県内では1日時点で90人が確認され、過去最多だった2022年の年間84人を既に上回っている。拡大を防ぎ早期治療につなげるため、県内の保健所では匿名で受けられる無料の検査を実施している。県は「早めの検査と治療が大切。コンドームの使用で感染予防を図ってほしい」と呼びかけている。
県内では1999年から感染報告の統計を取っている。確認数はここ数年で急激に増加。2018年に初めて年間30人を超え、22年からは80人以上で推移している。
今年、把握された感染者は男性が62人、女性が28人。年代別でみると、女性は20代が11人と突出しており、男性は40代(14人)、20代(13人)、30代(10人)の順で多い。県は「主に性風俗の従事者と、その利用者の間で広がっているようだ」と分析する。
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因。性行為などで粘膜が直接触れることで感染する。感染して約3週間で唇や口、陰部などにしこりが出て、約3か月後には手足や体にバラ疹と呼ばれる赤い発疹が現れる。悪化すると心臓や血管などに合併症を引き起こすこともある。
現在は投薬によって治療が可能。人によっては自覚症状がなく、感染に気付かないまま不特定多数の相手に広める恐れがある。
梅毒の無料検査は県内7カ所の全ての保健所で受けることができる。採血の際に他人と顔を合わさないよう予約制となっている。
大分市保健所で毎週水曜日に実施している検査は、希望者が多く定員が埋まる日もあるという。保健予防課の医師竹野祐紀子参事補は「検査に訪れた人には注意を促すパンフレットやコンドームを渡している。コンドームには避妊具としてだけでなく、性感染症を防ぐ役割もある。破損しないようケースに入れるなどして普段から持ち歩いてほしい」と話す。
増加は全国的な傾向で、国立感染症研究所(東京)の集計では、23年の国内感染者は過去最多の1万4906人だった。妊婦からの母子感染で、生まれてくる赤ちゃんが先天梅毒にかかったケースもある。
県健康政策・感染症対策課の医師池辺淑子(としこ)課長は「母子感染は抗生物質の投与で防ぐことができる。妊婦健診で検査を受けてほしい。若いうちから正しい性感染症の知識を身に付けることが大事だ」と強調した。
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