学習アドバイスのコーナーはＱ＆Ａ方式でお届けします。大学受験生向けは、英進館天神本館高等部本部（福岡市）の神田岳彦講師が、受験生や保護者の質問に答えます。
Ｑ．過去問を解く意味や取り組み方を教えてください。
■問題点や課題を潰していく
Ａ．これからの時期は勉強といえば過去問です。表紙の色によって「赤本」「青本」などと呼ばれる、過去の入試問題が数年分まとめられた問題集に取り組みましょう。
過去問に挑戦して自分の力を知り、解けなかった問題を教科書レベルから復習する。曖昧だった公式を覚え直すなど、問題点や課題をつぶしていけば成績が伸びます。次に似たような問題に出合った時、考え方や解き方を再現できるところまで理解してください。
やり直しをする中で、自分で解決できない部分があれば学校や塾の先生に質問しましょう。大学入試の問題ですから、先生もすぐに答えられないことはありますが、ちゃんと調べて答えを返してくれるでしょう。
過去問は１２０分、９０分など所定の時間内で解きましょう。入試本番の時間を体感するのが大事です。「これ以上分からない」というときは早めに切り上げて、模範解答を見ながら「これはもうちょっと頑張れば解けた」「これは今の自分の力では解けない」などを確認します。一番よくないのは最初から解答を見て問題を眺めていくこと。どんなに苦しくても一生懸命、自分の力で考え抜いてください。
■１１月は２次試験、越年は避ける
過去問には共通テストと各大学の２次試験の２種類があります。１１月は２次試験の過去問に取り組む時期です。できれば５年分以上、赤本のような問題集なら１冊全部やりましょう。共通テストの過去問を解く中心の時期は８～９月で、１カ月前の１２月中旬から再び重点的に取り組みます。
共通テストの過去問だけを解き、２次試験に手をつけないまま年を越すのは避けてください。共通テストが終わり、いよいよ２次試験の出願という時、思ったように点が取れていればいいですが、取れていない人も少なくありません。志望校を受験するか、合格の可能性が高い大学に変更するかを決めるポイントは、２次試験でどれくらい点を取れるかです。志望校に合格できる確率が５０％ほどでも、過去問に取り組んで準備ができている人は自信が持てます。
共通テストが終わった後で再び２次試験の過去問に取り組みましょう。しっかり再現できる部分が増えたり、解ける問題が多くなったりしていれば自信が増します。
２０２４年の共通テストは１月１３、１４日でしたが、２５年は１月１８、１９日で５日間の差があります。国立大の２次試験は２月２５日から始まるので、前回より間が短いことも意識して、計画を立てて取り組んでください。
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