生徒が考案した服薬管理装置「めでぃすんchan」=津久見中央病院
【津久見】津久見市の津久見高生徒が考案した、薬の飲み間違えや飲み忘れを防ぐ服薬管理装置が完成した。高齢者の自立した生活を支援しようと、普通科の6人が昨春に企画し、商業、工業両科と連携して開発を進めていた。7月上旬、活動をサポートした津久見中央病院でお披露目し、装置3台を寄贈した。
身近な地域社会の課題を知る「総合的な探求の時間」の一環。箱形の装置は1週間分の薬を小分けにして収納でき、時間になると光や音で飲むタイミングを知らせる仕組み。今年2月、市内の高齢者や同院スタッフに試作品のモニターを依頼し、集まった意見を取り入れて改良を重ねた。
名称は「服薬管理お手伝い装置 めでぃすんchan」。高さや幅、ボタンの大きさなどを調整したほか、前面にマグネット式ホワイトボードを追加した。普通科3年の城妃菜さん(17)は「家族の写真やメッセージを飾って、少しでも楽しく薬を飲んでもらえたら」と願う。
山田美絵看護師長は完成の報告を受け、「高齢者の服薬問題は医療現場にとって重要な課題。高校生ならではの発想で、想像以上の素晴らしい物ができて感動した」。装置は早速、同院に入院中の高齢女性の病室に設置された。
今後は商業科の生徒が引き継ぎ、通知機能の強化や、増産に向けた資金集めに取りかかるという。
担当の藤沢友愛教諭は「家族へ通知するシステムを備えれば、お年寄りだけでなく、子どもの服薬にも力になれそう。今回の活動で、生徒たちが対外的な発信力を養うことができ、とても良かった」と話した。