【別府】別府市は鶴見岳周辺の一帯(約2200ヘクタール)を、温泉発電の乱開発から泉源を守る「アボイドエリア」に追加指定した。阿蘇くじゅう国立公園とほぼ重なっており、これまでは自然公園法で開発が抑えられてきた。2021年に政府が地熱発電の積極推進へ方針を見直したことで、新規掘削の可能性が高まっていた。指定は伽藍(がらん)岳周辺などの一帯約千ヘクタールを対象に初めて実施した18年以来。
追加指定は6月7日付。エリアは国立公園の北端部分に当たる。市生活環境課によると、開発が広がれば堀田温泉や観海寺温泉など市南部の温泉に影響しかねないという。今回の指定を受け、市内で開発を抑制すべき地域の全てがアボイドエリアの対象に含まれた。
アボイドエリアは「市温泉発電等の地域共生を図る条例」に基づく独自の温泉資源保護対策で、18年10月に開始。掘削許可は県知事の権限だが、源泉のモニタリング、説明会開催などの事前手続きを設けることでハードルを増やし、開発を抑制する仕組みだ。
同課によると、市内の温泉は鶴見岳、伽藍岳の二つの活火山の地下で育まれている。国立公園の区域と重なる鶴見岳周辺は国、残りや伽藍岳周辺は市―と2種の規制がすみ分ける形で、保護が必要な全域を漏れなくカバーしてきた。
一方、環境省は「地熱開発加速化プラン」を踏まえて21年9月、国立・国定公園内での開発の基本的な考え方を「優良事例は認める」と通知した。以前は「原則として認めない」だったため、鶴見岳周辺での開発の懸念が浮上していた。
長野恭紘市長は7月24日の定例記者会見で、温泉発電の開発をアクセルに例え「まずはしっかり保護した上で、どこまで踏んでいけるかバランスを見ながらやっていくべきだ」と話した。
指定エリアの総面積は、これまでのおよそ3倍に当たる約3200ヘクタールになった。アボイドエリアとなった地域で、新たに温泉発電が開発された例は今のところない。
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