もちとうきびのスプラウトを開発した森田昌孝准教授(右から2人目)と高松修さん(同3人目)ら=由布市湯布院町川上
【大分・日出・由布】大分在来トウモロコシ「もちとうきび」から製造するスプラウト(発芽野菜)を大分高専の森田昌孝准教授(45)と「ファームサム」(日出町大神)の高松修代表(56)が開発した。特許出願を準備中。県産品にこだわるレストランや料理人への販売を目指すという。
在来作物の研究をする森田准教授は「おおいた在来作物研究会」会長として保護や伝承に力を注ぐ。高松代表はマイクログリーンズや西洋野菜を栽培している。
2人は、同研究会の斉藤美絵アンバサダー(44)の紹介で今年2月に出会い意気投合。3月から共同研究を始めた。森田准教授の指導を受け、高松代表らがさまざまな条件下で育て、適切な収穫時期を見極めるなどして、トウモロコシの味が感じられるスプラウトができた。森田准教授は「食べた人が驚くような良い物に仕上がった。甘くシャキシャキとした食感もいい」と話す。
6月中旬には、由布市湯布院町川上のオーベルジュ「ENOWA YUFUIN」でお披露目した。試食したシェフのタシ・ジャムツォさん(35)は「食べやすい。在来種に興味があるので実際に使ってみたい」と話した。
スプラウトは「紫(し)ノの芽」と命名。土から出て夜明けを迎えるイメージとして、ファームサムで研究を手伝った寺沢莉穏(りおん)さん(21)が発案した。
高松代表は「協力して世に出せることを、わくわくしている。在来作物を見直すきっかけになるといい」と話している。