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大分県内の議会、進まぬバリアフリー 段差解消は県と5市町のみ

 県内の議会のバリアフリー化が進んでいない。県と18市町村で、議員が車椅子で活動できるよう議場などの段差が解消されているのは6議会にとどまっている。国会は重い身体障害のある議員の誕生で設備を改修し、介助者の付き添いを認めるなどソフト面にも配慮する。識者は「障害者を知らず知らず排除していないかという視点に立ち、事前にできる環境整備はしておくべきだ」と指摘する。
 各議会事務局によると、庁舎の玄関から議場入り口まで、段差なしに移動できるのは津久見市、宇佐市、姫島村を除く16議会。そのうち議席や演壇、質問席への行き来もできるのは県や別府市、杵築市など6議会(簡易スロープの使用を含む)に限られる。宇佐市は来年1月から供用開始する新庁舎で対応可能になる。
 佐伯市は5年前の庁舎建て替えで議席までスロープを導入するなどしたが、演壇は未対応のまま。担当者は「議員が実際に活動する姿を想像できていなかったかもしれない」と認める。
 多目的トイレを議場と同じフロアに備えているのは、豊後大野市、国東市など10議会だった。
 今夏の参院選では、「れいわ新選組」から難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)などで重い障害のある候補2人が初当選した。参院は大型の車椅子が入るように議席を改修。介助者による代理投票を認めたり、介助費の自己負担を肩代わりしたりといった配慮をしている。
 県内では1975年に全国初の「車椅子市議」になった元別府市議の吉永栄治さん(79)=同市小倉=らの例もあるが、ハンディのある議員はこれまで少なかったという。このため、ハード面の改善は庁舎の新築時が中心で、あまり進んでいない。
 ソフト面も低調だ。介助者の扱いなどの議論を具体的に進めている議会はゼロ。「あらかじめ全てを準備しておくのは困難。その都度、適切に対応する格好になる」(県)という。
 全国の地方議会では、発語障害のある議員の質問について代読を認めている神奈川県鎌倉市などのケースもある。杵築市は「国や他自治体の先例から検討できる部分もありそう」と話す。
 障害者福祉論が専門の広野俊輔・大分大講師(36)は「スロープなど誰にとっても使いやすいバリアフリーの環境があってこそ、一人一人への合理的配慮ができる。ハード面、ソフト面を問わず、今から備えておくべきことは多い」と強調した。 

〇全盲の元大分市議「障害者の政治参加必要」
 県盲人協会長で全盲の衛藤良憲(よしのり)さん(68)=大分市顕徳町=は1999~2013年の4期14年、同市議を務めた。重い障害がある国会議員の誕生を「障害者へのまなざしが変わる」と歓迎。県内で政治参加が進まない現状には「さみしい。後に続く議員を切望している」と話す。
 生まれつき左目が見えず、後に右目も光を失った。1998年、市内で親が重度の心身障害のある子どもと無理心中を図る事件が起き、「障害がある当事者の声を届けなければ」と政界入りした。
 当初は「議員報酬の無駄」と心ない批判もあったが、予算書の点字化などのサポートを受け、通算55回、質問に立つなど精力的に活動した。議場までの庁内の通路には自分で点字シールを貼ったという。
 市の職員採用で点字受験が可能になるなど「当事者としての訴えが政治を動かした」という実感がある。「障害者の政治参加は絶対に必要だ」
 県内議会のバリアフリー化については「誰にでも開かれている、とのメッセージを与えられるだけでも価値がある」と積極的な取り組みを求めた。
※この記事は、12月3日大分合同新聞朝刊23ページに掲載されています。
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