大分県内ニュース
地域密着!郷土のニュースとスポーツ

誰もが尊重される社会に 権利確立まで闘い続ける

令和 新時代を生きる

 県内の山あいで、季節の移り変わりを肌で感じながら暮らす。のどかな山村にも田舎町にも、ここ大分にも、性的指向や性自認に悩み、差別や偏見に苦しむ人がいる。「都会だけの話ではない。人と違う自分はここでは暮らしていけないと、古里から出て行った人もいるはずです」
 性の多様性や性的少数者(LGBT)を認める動きが波及し始めたのはつい最近のこと。森あいさんは弁護士。同性婚人権救済弁護団員や、法律家らでつくる全国ネットワークのメンバーなどとしてLGBT支援に先陣を切って取り組んでいる。
 県内に拠点を置く「SOGIEサポートチームココカラ!」の一員でもある。当事者や学生らと共に、LGBTを取り巻く環境を改善しようと、啓発のための講演活動をし、県に差別解消を働き掛けてきた。
 結婚の自由をすべての人に―と都市部を中心に複数の地裁で起こされた同性婚訴訟が注目されている。「金銭を勝ち取りたいのではなく、社会的関心を巻き起こし、同性間の婚姻を立法化するための手段だ」と説明。「人として生まれた時点で、誰もが同じ選択肢を持てるべきだ」と強調する。
 京都大大学院時代は文化人類学を専攻した。就職活動で「会社員にはなじまない」と自己分析し、「よりダイレクトに人と関わる仕事をしたい」と一念発起。2011年に弁護士登録した。
 学生時代からLGBTの啓発活動に取り組んだが、国内ではまだLGBTの言葉すら知られていなかった。法律家の間でも人権問題として語られることはなかった同性愛者らの差別問題に、正面から向き合っていると感じた東京の法律事務所に入った。
 5年前から、弁護士のいない過疎地域の解消を目的に開設された阿蘇市の事務所で働く。日々の活動の中で、「LGBTに対する嫌悪感よりも、LGBTらマイノリティーが権利を主張することに対する抵抗感ややゆの方が根深く強固」と感じるようになった。「一人一人が大切な存在で、尊重される権利がある」。信念を胸に、誰もが自分らしく生きられる社会が実現するまで闘い続けるつもりでいる。

<メモ>
 レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取ってLGBTと呼ばれるが、性自認や性的指向が分からない人、異性にも同性にも性愛を感じない人もいる。実生活では、学校や就労、医療、トイレ、宿泊施設、行政窓口などさまざまな場面で困り事が生じる。
 東京都渋谷区、世田谷区を皮切りに、同性カップルの結婚に相当する「パートナーシップ制度」を導入する自治体は増えている。県内では導入例がなく、同性パートナー間の相続や在留資格の付与などに法的な効果は及ばない。ただ、森さんは「行政が認めたというメッセージが、市民らの意識を変えるきっかけにはなり得る」と指摘する。
※この記事は、8月20日大分合同新聞朝刊6ページに掲載されています。
OPENCLOSE

速報ニュース

ニュースアクセスランキング 4時41分集計

ランキング一覧を見る

大分合同新聞ニュース絞り込み検索
記事の絞り込み検索が可能になりました!

期間選択
ジャンル選択
記事種別選択

大分県の天気

PM2.5情報
大分県の測定データ大分市の測定データ
大分合同福祉事業団
インターネットによる募金「かぼす募金」を受け付けています
大分合同新聞
販売店検索はこちら
お近くの販売店を今すぐ検索!
HELLO KITTY×大分合同新聞
おともだちカード
「大分合同新聞 HELLO KITTY」が大切なあなたの気持ちをお届けします。

全てのお知らせを見る

電子書籍のご案内

ページ上部へ戻る