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分かりやすく適切に 大分地検・検事正の永幡無二雄さん

施行10年に寄せて 裁判員裁判おおいた(中)

 裁判員裁判が施行されてから10年となりました。運用はおおむね円滑に行われており、広く国民が裁判に参加し、その感覚が裁判内容に反映されるなど、制度施行当初に目指されていた裁判の姿は相当程度、実現できていると思います。
 大分ではこの10年間に80件余りの裁判員裁判が実施されています。裁判員候補者や裁判員となられた方など、多くの国民の皆さんにご協力いただいており、特にそれぞれの事件に熱心かつ誠実に取り組まれた裁判員の方々には心から敬意を表します。
 検察庁としては、裁判員の皆さんが審理内容を十分理解できるよう、分かりやすい主張・立証を心掛けてきたところです。裁判員裁判における検察官の主張・立証は(1)分かりやすいものであり、かつ(2)事案の本質を浮き彫りにする的確なもの―でなければならず、これらを満たす適切な主張・立証を目指して努力と実例を積み重ねてきました。
 ただ、一方で課題も残されています。
 一つは、複雑困難な否認事件などにおいては、審理が長期化し、取り調べる証拠の数も多量になるなど裁判員の負担が大きくなるということです。これについては法曹三者による公判前整理手続きで、事前にきちんと争点や証拠の整理を行っておく必要があります。
 殺人事件などで、遺体や現場の凄惨(せいさん)な状況を撮影した写真などの証拠の扱いをどうするかという問題もあります。裁判員の精神的な負担を考えれば、それらの証拠を調べなかったり、適宜イラスト化するなどすればよいのでしょうが、それが行き過ぎると、裁判員に事案の本質が的確に伝わらないのではないか、そもそも「証拠」による裁判といえるのかなどの問題が生じかねません。被害者やご遺族の心情に配慮する必要もあるでしょう。
 検察としては引き続き、裁判員の負担にも配慮しつつ、より分かりやすく適切な主張・立証の実現を目指していく所存です。

 【プロフィル】ながはた・むにお 岡山大法学部卒、1991年任官。大阪地検公判部長、神戸地検次席検事、最高検検事などを経て今年1月から現職。兵庫県出身、55歳。
※この記事は、5月20日大分合同新聞朝刊19ページに掲載されています。
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