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「てんこう」打ち上げ 分離、予定軌道に

 大分県内の製造業4社が共同開発プロジェクトに参画した小型環境観測衛星「てんこう」は29日、鹿児島県の種子島宇宙センターから予定通りH2Aロケットで打ち上げられた。高度600キロ付近の宇宙空間にとどまり最長2年間、宇宙線などを観測する。県内企業が衛星開発に携わるのは初めて。打ち上げ成功により技術力の高さを国内外に示したことで、宇宙関連ビジネスへの参入促進が期待される。

 てんこうは14面体で直径・高さ各約50センチ、重さ23キロ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」をはじめ、他の小型衛星3基などと共にH2Aロケット40号機(全長57メートル)に搭載された。
 H2Aの打ち上げは午後1時8分。てんこうは33分後に高度623キロで切り離され、目的の軌道に入った。その後、南米アルゼンチンの上空で通信も確認できた。早ければ1週間後に観測のミッションを始める。
 プロジェクトは九州工業大学(北九州市)の主導で、2017年7月から本格的にスタート。14面体パネルの外部構造の製作を江藤製作所(大分市)、内部構造をニシジマ精機(佐伯市)、制御や通信管理システムをKTS(杵築市)、デンケン(由布市)が担当した。試作機、実機での振動、衝撃に関する試験を重ね、JAXAの厳しい基準を満たし、打ち上げが認められた。
 種子島宇宙センターで会見した九工大大学院の奥山圭一教授は「大分県内の4社は短い開発期間を高いモチベーションと熱意で乗り切ってくれた」と謝意を述べた。

県関係者「報われた」
 てんこうの共同開発に携わった県内の3社、県関係者ら10人は、種子島宇宙センターから3・2キロ離れた場所で見守った。人工衛星開発という地場企業の「ものづくりの夢」を載せたロケットがごう音を響かせて天に昇ると、満面の笑みで喜びを分かち合った。
 KTSの津田幹輔常務(51)は「1年間の苦労が報われた」と感慨深げ。各社とも開発にかかる人件費、材料費はほぼ自社負担の“手弁当”で協力してきた。「現場の社員が厳しい納期にも夜を徹して対応してくれ、ここまで来られた」
 デンケン技術統括室の仲哲生部長(60)は「JAXAの仕事に携わるとは夢にも思っていなかったが、実現できた」と振り返った。「終わりではなくスタート。今後は利益を出すビジネスとして成立するよう、この経験を生かしたい」と強調した。
 ニシジマ精機の西嶋真由企社長(46)は「きょうの感動でまた宇宙関連の仕事に携わりたいと強く思った。まずはロケット発射場のメンテナンス業務への参入を目指したい」と抱負。
 県商工労働部の小野賢治理事兼審議監(59)は「県内の中小企業が時代の先端を担う技術力があることを示してくれた。他の地場企業にとって刺激になったのではないか。新たな産業集積を生む力になれば」と期待した。
※この記事は、10月30日大分合同新聞朝刊1ページに掲載されています。
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