大分県内ニュース
地域密着!郷土のニュースとスポーツ

【カメルーンの風 JICA同行記】② バイオトイレ 粘りの交渉 延べ20回以上現地へ

 11月14日のカメルーンは快晴だった。
 首都のヤウンデ市庁舎。ベンチャー企業「TMT.Japan」(大分市原川)のメンバー3人は、緊張した面持ちでバイオトイレ設置の記念式典に臨んだ。
 起業から5年。横山朋樹代表(46)はマイクの前に立つと、出席した約50人の両国関係者にあいさつした。
 「第一歩を踏み出せた。今日がスタートです」

「外出先では我慢」
 同社によると、人口約240万人のヤウンデ市内には公衆トイレが7カ所しかない。全てくみ取り式で有料。1回につき50~100セーファーフラン(10~20円)が必要で、汚れているため利用者はほとんどいない。
 市郊外に住む自営業女性(43)は「公衆トイレは数が少なく汚い。外出先で行きたくなっても我慢する」。水洗は高値で手が出ず、一般家庭の多くは敷地内の地面に掘った穴をトイレにしている。
 不衛生な状態を象徴するかのように、現地滞在中、屋外のいろんな場所で男性が用を足していた。

臭い出ず、水は不要
 同社は大分から計16台のバイオトイレを運び込んだ。木のチップと微生物の力で排せつ物を分解し、臭いは出ない。水は不用だ。
 日本での販売価格は1台約250万円。JICA(国際協力機構)九州の中小企業海外展開支援事業費を活用し、市庁舎と市関連施設に各4台、国立ヤウンデ第1大学(同市)に8台を設置した。
 手続きは順調だったわけではない。調査を始めた2015年6月以降、横山代表や永井正章さん(45)、三笠大志さん(38)=いずれも大分市=が延べ計20回以上、渡航を繰り返した。
 ヤウンデ市長に直談判し、面会を求めて学長を追い掛けたこともある。マイペースなカメルーン人と粘り強く向き合った。

既に「次の一手」へ
 和やかな雰囲気の中、記念式典は終わった。
 「わが街に設置してくれて感謝している」「自然と調和したデザインが近代的だ。素晴らしい」―。
 喜ぶ市民の横で、横山代表は表情を引き締めた。「バイオトイレが現地の習慣として受け入れられるかどうか…。人々の暮らしになじむには、恐らく時間がかかるだろう」
 今後どのように現地で生産し、ビジネスに結び付けるか。原料のアルミや木材の地元業者を視察するなど、既に同社は「次の一手」に動きだしている。
※この記事は、12月1日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。
OPENCLOSE

速報ニュース

ニュースアクセスランキング 12時21分集計

ランキング一覧を見る

大分合同新聞ニュース絞り込み検索
記事の絞り込み検索が可能になりました!

期間選択
ジャンル選択
記事種別選択

大分県の天気

PM2.5情報
大分県の測定データ大分市の測定データ
大分合同福祉事業団
インターネットによる募金「かぼす募金」を受け付けています
ぶんぶん写真館
記者やカメラマンが撮影した写真を閲覧・購入できます。
大分合同新聞
販売店検索はこちら
お近くの販売店を今すぐ検索!
HELLO KITTY×大分合同新聞
おともだちカード
「大分合同新聞 HELLO KITTY」が大切なあなたの気持ちをお届けします。

全てのお知らせを見る

電子書籍のご案内

ページ上部へ戻る