比嘉愛未、初エッセイで明かした本音「人に見せてこなかった傷や、つらかったことも残しておきたかった」【インタビュー】

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初のエッセイ集『またね。』(講談社)を刊行した比嘉愛未(撮影:鈴木章太) (C)ORICON NewS inc.

 俳優歴20年にして、初のエッセイ集『またね。』(講談社)を刊行した比嘉愛未。同作で、仕事、恋愛、結婚、年齢といった多彩なテーマでこれまで明かしてこなかった本音をつづっている。

【撮り下ろしカット】ワンピースを華麗にまとった比嘉愛未

 7月スタートの日本テレビ系新水曜ドラマ『ファーストクライ 母子救命救急班』(毎週水曜 後10:00)での主演も発表され、さらなる注目を集める比嘉に現在の心境を聞いた。

■40歳を迎えて「シーズン4がこれから始まるぞ!という感じです」

―この取材の数日後には40歳のお誕生日を迎えられます。ひとつの節目となるいまの率直なご感想を聞かせてください。

【比嘉】ワクワクしています。もう早く40代を楽しみたいと思っていますね。 というのも、同世代の友人とここ最近話していたんです。30代後半だと「もう後半か……」って話になるけど、40を迎えたら40代の新人じゃないかって(笑)。だからフレッシュな気持ちです。新たなフェーズというか、新シーズン。「シーズン4がこれから始まるぞ!」という感じです。

―比嘉さんはクールでちょっとミステリアスなイメージを持たれることが多いそうですね。

【比嘉】そうですね。なので、本当にどの現場に行っても、初めてお会いする方には驚かれます。実際はすっごい喋りますから(笑)。「気さくですね」って言ってもらえることが多いので、それは本当にうれしいことです。

―今回発売されたエッセイ集の『またね。』について、知人や友人の方など、読まれた方からのご感想はありましたか。

【比嘉】東京の母のような、大好きな人生の先輩からはすぐに「一気に読んだよ」という連絡をいただきました。「愛未らしい、正直な本だね」って。このエッセイ集では包み隠さずに自分のことを、良いことも悪いことも、キレイなことばかりだけではなく、これまで人に見せてこなかった傷や、つらかったことも残しておきたかったんです。俳優という仕事をしている立場だと、自分自身を出す機会ってあまり多くないじゃないですか。でもエッセイだったら自由に私自身のことを出すことができる。いろんな要素があって私、比嘉愛未ができているので。光があれば影があるといわれるように、私自身にもしっかりとそういう部分は存在していて。それはいまだってそうですから。

―今回のエッセイ執筆を通じて、自分自身とも深く向き合われたわけですね。

【比嘉】とても内省できたと思います。過去の描写をつづる時も、ちょっと思い出してつらくなったりもしたんです。でもいま振り返ってみて、よくそれを乗り越えてきたなと。腐らずによくやってきたし、よくぞいま作品を通じて人に楽しんでもらいたいというマインドになれているなと。自分自身を褒めてあげたくなりましたね。ものづくり、作品づくりは、それを楽しんでくれる誰かになにかを提供しなければならないって思っていたんですけど、今回はまったく違う感覚でした。私のやりたいことにこだわらせていただいて、内容もプライベート感が満載すぎるくらいで。だから発売前はソワソワが止まらなくて。

―ここまで比嘉さんの本音が詰まっているのは貴重なことかもしれません。

【比嘉】自分のことをここまで明かしたことなんてほとんどなかったと思います。たとえばアーティストさんだったら、歌詞や楽曲は自分の内側から出てくるものじゃないですか。でも俳優というのは、自分の心と身体は使うけど、あくまで演じる人物は自分とは別の人なので、自分そのものを出しちゃいけないというか。私の場合は昔から求められる人物像、そういう期待に応えなきゃって思ってしまうタイプだったので特にですね。

―俳優としての比嘉愛未さんではなく、ひとりの人としての比嘉愛未さんが記録されている。

【比嘉】そうなんです。だからなんの装備もしていない状態の自分を世間のみなさんにお披露目するのは、実は怖いことでもあるなと。自分の本心、偽りのない自分だから。でも取り繕えないんですよ、もう世に出たものなので。読んでくださる方たちがどう受け取ってくれるかはもう任せるしかないなという気持ち。だからこういう風に読んでくださいとか、セールストークみたいなことはできないかもしれませんね。一言で言えないぐらい、私のいままでの半生をギュッと濃密に込めています。

■心に深く残るおばぁの言葉「誠実に生きていれば、きっとなんとかなる」

―それは文章もそうですが、収録されている写真もそういった印象を受けます。

【比嘉】 撮影は故郷の沖縄でした。本当に神がかったとしかいえないような、素晴らしい瞬間が何回もあって。そんななかでたくさんの景色を切り取ってもらいました。リラックスした状態で自分らしい表情がいっぱい残っていると思います。どこを撮られても恥ずかしくなかったというか。素晴らしい作品作りができたと思います。間違いなくこの本は私の人生の宝物ですね。 何十年後かに読み返した時に、「あ、なんか愛おしい」「この瞬間良かったな」って絶対思うと思うんですよ。文章ひとつとっても「あ、この時の考え方若いな」とかも(笑)。そういう風に振り返られる作品を生み出せたことが何よりも嬉しいですね。40代になる自分へのご褒美になったなって。自分自身で作って、自分の誕生日に向けて。

―過去のお話のなかにはご自身で「暗黒期」と呼ぶ学生時代のことも書かれています。そういったことを経験してきた比嘉さんから、いま人間関係に悩んでいる人に向けて伝えたいことはありますか。

【比嘉】 私自身があのころのまま、ずっと暗く光のない生活のままだったらどうなっていたんだろうって振り返ったんです。だけど、私の転機となったのは、やはり芸能の仕事にスカウトしていただいて、表現するお仕事に出会えたこと。そのときいた世界とは別の世界に避難することができたんですよ。それで学校生活も耐えられた。だから、私がいまなにかに悩んでいる人に言えることがあるとしたら「全然、逃げてもいい」ということなのかな。いまの環境がずっと続くとは限らないし。私が実際に経験したように、そのときは先が真っ暗で見えなかったとしても、人生は長いから。どこかのタイミングでどういう出会いがあって、どういう出来事があって変わるかもわからない。明日変わるかもしれないから。

―本の後半に出てくる、おばぁさまの言葉も印象的でした。

【比嘉】私のおばぁの言葉は本当に深くって。「まくとぅそーけー なんくるないさ」。まっとうに生きていれば、なんとかなるという意味です。他者がどうこうではなく、自分自身がまっすぐに。人を裏切ったり嘘をついたりしないで、誠実に生きていれば、きっとなんとかなる。とにかく自分を否定することだけはやめてほしいっていう思いですね。

―そのメッセージに勇気づけられる人もたくさんいると思います。

【比嘉】そう感じてもらえたら嬉しいですね。自分の過去をさらけ出した甲斐があります。

<プロフィール>
比嘉愛未(ひが・まなみ)
1986年6月14日生まれ。沖縄県出身。2005年、映画『ニライカナイからの手紙』で俳優デビュー。2007年、NHK連続テレビ小説『どんど晴れ』でヒロインに抜擢され、ドラマ初出演にして初主演を果たす。以降、フジテレビ系『コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』シリーズ、NHK夜ドラ『作りたい女と食べたい女』シリーズなど、数々の作品で幅広い役柄を演じる。2023年からは沖縄県世界自然遺産大使を務める。2026年7月、日本テレビ系連続ドラマ『ファーストクライ 母子救命救急班』に主演する。

<スタッフクレジット>
撮影 鈴木章太
スタイリスト 後藤仁子
ヘア&メイク 奥原清一

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