ライブ映画&ドキュメンタリー映画の公開初日舞台あいさつを開催したNissy(C)Nissy Entertainment
2023年8月にソロ活動10周年を迎えたNissy(西島隆弘)が23日、東京・ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて、ライブ映画『Nissy Entertainment “Re:10th Anniversary Final” BEST DOME TOUR “The Movie”』と、ライブに至るまでの1300時間に密着したドキュメンタリー映画『Nissy -Documentary Movie- “Re:10th Anniversary Final” BEST DOME TOUR』の公開を記念した公開初日舞台あいさつを開催した。
【写真】発声せずとも…思いをファンに伝えたNissy
24年11月から今年3月にかけて開催した全国6大ドームツアー『Nissy Entertainment “Re:10th Anniversary Final” BEST DOME TOUR』では、ソロアーティストとして史上初となる2度目の全国6大ドームツアーを実現し、総動員数約45万人を熱狂の渦に巻き込み大きな反響を集めた。本ツアーの模様を収めたライブ映画と、ライブに至るまでドキュメンタリー映画の2作品が、きのう23日より全国の映画館にて同時公開された。
Nissyが登壇する公開初日舞台あいさつは、ライブ作品およびドキュメンタリー作品の2作品それぞれで開催。一人の表現者として孤独と向き合いながら作品を生み出してきたNissyが、作品に関する貴重なエピソードを語った。なおイベントには、MCとして“Team Nissy”のダンサーkazuki(s**t kingz)とShow-heyも登壇した。
全国の映画館72会場、各回約14000人のファンに生中継され、Nissyは先日公表した声帯の手術の治療中のため発声ができず、口笛での返事や、手元のスマートフォンに入力した回答をスクリーンに投影する形で行われた。
まず、ライブ作品の上映後に登壇したNissy。会場に集まったファンから大歓声を浴びると「本当にやっとです。やっと、やっとなの。観てくれてうれしいです」とスクリーンに素直な気持ちを映し出し、完成した作品をファンに届けられた喜びを表現。「新鮮だね、しゃべれないのも。今はみなさんの顔を見て安堵しています」と笑顔を見せると、会場からは温かな拍手が送られた。
続いて、事前に寄せられたファンからの質問に答えるQ&Aコーナーへ。「演出で一番こだわった点は?」という問いに対し、Nissyは「Rendezvous」の1番サビ前の噴水演出を挙げ、「各セクションとタイミングを合わせるのが一番大変でした」と振り返った。「アーティスト本人、ダンサー、バンド、噴水、サービスカメラ、VJ、床VJ、照明、音響、外音、映像、カメラ、カメラスイッチング…すべてが、噴水が終わりかけてから私がサビを歌い出すまでの、たった1~2秒の間に決められた順番で動いているんです。どこか一つでもズレると、見ている人が“ん?”と違和感を覚えてしまう」。そのうえで、「舞台やミュージカルはそうしたタイミングが盛りだくさんで、それがズレないことで皆さん作品に没入できる」と語り、「映像や照明、音をリンクさせることで、今の技術はより一層エンターテインメントを楽しくしてくれます。おそらく未来はそれが当たり前になると思っています」と展望を語った。
また、ライブ中のファンの表情についても言及。「ぼーっとして、瞑想しているみたいな顔をしている人がたくさんいるんです。それを見ると、ニヤッとしちゃうし、快感ですね」と笑顔をみせた。一方で、「冷静に見ている人がいると、ちょっと不安になる」とも告白。「ライブ中、全体の空気感を“波形”みたいに感じているんですが、1人だけズレているように見えると、そこに目がいってしまう。カメラのランプがつくはずのタイミングでつかないと気になるのと同じ感覚です」と、表現者ならではの感覚を語った。
さらに、約5万人の観客を前にする心境については、「正直、“楽しい”とか“景色がきれい”とか、そういう単純な感情ではない」と率直に語る。「それぞれが、どんな思いでスケジュールを調整して、チケットを取って、どんな日々を過ごしてこの日を迎えたのかを考えてしまうんです。恋人と来ている人、親子で来ている人、友だち同士、1人で来ている人。さまざまな背景を持った4万5千人が一堂に会すること自体がすごいことだと思います」と胸の内を明かし、「来てくれたこと自体がありがたいことです」と締めくくった。
最後に「公開までたどり着けて本当によかったです。クリスマスや年末年始も、ぜひ映画館で楽しんでください」とメッセージを送り、拍手と歓声に包まれた。
続いて、ドキュメンタリー作品の上映前に行われた舞台あいさつに登壇したNissyは「本当に1300時間撮影して、何か月もかけて何十人かで編集をされていたみたいです。シーン数が圧倒的に多いです。撮る人と撮られる人との関係が成立していないとできない距離感で撮影していますので、その感覚で観てほしいなと思います」とアピール。加えて、「今回は、ライブのツアー合宿からの1300時間を2時間に収めた感じです。なんかさ、1300時間を2時間って伝わらん」と言葉を打ち込み会場の笑いを誘った。
そして、Q&Aコーナーで、ライブを作り始める前から映画にしようと考えていたか質問されると、Nissyは「やっぱりライブの気分で皆さん会場に来られるわけであって、そこに映画のような物語が展開されるとは最初は思わないじゃないですか。どうやってライブを見に来たテンションで映画も観られるようなテンションに誘導していくかですよね。だから、なるべくストーリーは簡単にしておかないと。かといって、真剣に画面を観ていれば物語は進んでいくので、“映画館”という環境でわかりやすいストーリーが展開されすぎるとつまらないと思われるだろうし。だから、あくまでもライブ7、映画3みたいな感覚で作ってきましたかね」と打ち明けた。
次に、ファンの想いがNissyに伝わる瞬間はどんな時か尋ねられると「ライブだと表情と空気感ですね。よく言っているんですけど、会場の雰囲気って場所によって違うんです。ステージに立てば分かります(笑)。それ以外だとSNSとかですかね。いろんなコメントをいただきますが、温かい言葉はうれしいですね。温かくなさそうな言葉は見ないようにしています」と答えた。
さらに、「チームNissyを一言で表すと?」との質問には「百花繚乱。多くの才能や個性、表現がステージで一気に花開くこと。各セッションの演出が気持ちよく繋がった時はくぅーーー!ってなりますね」と吐露した。
最後に「これからご覧になれる皆様、心より感謝いたします。いろんな私をご覧になられるかと思いますが、こんな感じで作っていたんだなーと、しみじみと感じていただけたらと思います。本当に見に来てくれてありがとう。その気持ちにLove you(絵文字でハート)」とコメントした。