ロシアのプーチン大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=2024年6月、平壌(AP=共同)
【キーウ共同】北朝鮮の崔善姫外相が7月にロシアでラブロフ外相らと会談した際、エネルギー・経済協力で合意していたことが12日、ウクライナ国防省情報総局の調べで分かった。ロシアによる北朝鮮での製油所新設や石油製品生産能力の拡大支援、北朝鮮からロシアへの燃料供給が柱。情報総局当局者が入手した合意内容を共同通信に明らかにした。
ロシアは世界3位の産油国だが、侵攻を続けるウクライナからの無人機攻撃で一部の製油所が操業停止に追い込まれた。北朝鮮に技術支援して原油を輸出し、石油製品を得ることで調達先の多元化を図っている可能性がある。情報総局は情報の入手先を明らかにしておらず、ロシアと北朝鮮は合意を発表していない。合意内容の多くは国連安全保障理事会の制裁決議に違反する。
合意内容によると、両国は北朝鮮国内に航空燃料やディーゼル燃料を年間最大30万トン生産する製油所を新設する。また、ロシア企業「レンギプロネフテヒム」と北朝鮮・羅先の製油所「勝利化学工場」の作業部会が相互訪問し、勝利化学工場で石油製品を年間80万トン生産できるかどうかを検討する。
北朝鮮が8月末までに、燃料となる石油製品2万5千トンをロシアに供給することも含まれる。勝利化学工場は1990年代のソ連崩壊後、本格稼働は確認されていない。稼働させた上で、精製能力を見極めるサンプルとして提供しようとしている可能性がある。
天然ガスと石油の主成分の炭化水素輸送のため、北朝鮮の港湾インフラ開発にロシアが投資し、企業を参加させる。ロシアは北朝鮮から最大1万4千人の労働者を受け入れ、ロシア極東沿海地方の特別経済区で軍事用品と軍民両用品の生産を増やす。
安保理の北朝鮮制裁委員会専門家パネルの古川勝久元委員は北朝鮮がロシアや中国から大量の石油製品を不正調達しており、その一部をロシアに戻したり供給したりすることは不可能ではないと指摘した。
崔氏は7月19日にプーチン大統領、20日にラブロフ氏とそれぞれ会談し、両国の包括的戦略パートナーシップ条約に基づく協力を確認した。
最近のロ朝関係 ロシアと北朝鮮は2024年に有事の相互支援を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を結んだ。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記はこの条約に基づき、ロシアのウクライナ侵攻を支援するため派兵を決定。1万人以上の北朝鮮兵がロシア西部に派遣され、ウクライナ軍と交戦した。ロシアは見返りに兵器や軍事技術を提供しているとみられる。北朝鮮の短距離弾道ミサイルはウクライナへの攻撃に使われ、精度を大幅に向上させている。
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