息子の遺影の前で取材に応じるミコラ・シロババさん=23日、スラビャンスク(共同)
【スラビャンスク共同】「ここで生まれ、ここで結婚した。この土地を奪うなら私を殺してからにしなさい」。ロシアが完全掌握を狙うウクライナ東部ドネツク州の主要都市スラビャンスクでナタリア・ネフョードワさん(55)が肩を震わせた。低い爆発音が響く最前線に23日、共同通信記者が入った。ここを突破されれば、ロシア軍に大幅な進軍を許すことになる。最後のとりでに残るのは、息子や娘を失った父や母たちだ。
ロシアの侵攻が始まって24日で4年。戦場となったウクライナの景色は一変した。
和平を仲介するトランプ米大統領は領土を譲るようウクライナに迫り、ドネツク州の扱いが焦点となっている。明け渡せば戦争は終わるのか。
「絶対だめだ。ロシアはドネツクが欲しいのではない。狙いはウクライナ全土の征服だ。だまされてはいけない」。息子アンドリーさんを亡くしたミコラ・シロババさん(68)が語気を強めた。
市庁舎前には戦死した地元出身兵の遺影が並ぶ。ネフョードワさんは、長男マクシムさん=当時(37)=の写真にバラの花を手向けながら「自分の国と土地のために戦い、死んだ。愛国者だった。私は割譲なんて許さない」と涙を流した。
スラビャンスクは、ウクライナ東部で紛争が始まった2014年春、ロシアが操る親ロシア派勢力が占拠した。ウクライナが同年夏に奪還すると、近隣の都市とともにロシアの進軍を防ぐ強固な防衛線「要塞ベルト」を形成するようになった。
これより西は起伏の少ない畑地帯が広がり、防衛線を突破されると、500キロ以上先の首都キーウも危うくなりかねない。郊外には戦車妨害用の障害物「竜の歯」が3列、見渡す限り並んでいた。
支配地域を徐々に広げるロシアは、ドネツク州の8割前後を占領。昨年末にはスラビャンスクの約30キロに迫った。「ロシアの一人称視点(FPV)無人機が非常に厄介だ。滑空爆弾の被害も甚大だ」。リャフ市長は、攻撃にさらされる市庁舎から行政機能を移した地下室で状況を説明した。
雪が残る住宅街を歩いた。人通りは少ない。上空を無人機が飛び交い、断続的に「ズドーン」と重苦しい砲撃音が響く。滑空爆弾にえぐられた建物が至るところにある。
ロシア語を話す人が多かった地域だが、この4年でウクライナ語に切り替える人も増えた。一方、ロシアに協力する住民がロシア軍に攻撃目標の情報を伝えるケースも後を絶たない。「数人拘束したが、きりがない。あそこもだ」。案内してくれた市当局者が最近破壊された建物を指さした。
攻撃が続く街でカフェを営むスビトラーナさん(35)に避難せずにとどまる理由を聞くと、簡潔な答えが返ってきた。「ウクライナにウクライナ人が住んでいる。ただそれだけのこと。出て行く理由はないでしょう」
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